北上麗花
P)はい、コーヒーをどうぞ。 ?)あっ、ありがとうございます。
高木社長
P)熱いですから、気を付けてね…あ、そうだ。はい?
北上麗花
?)アツ…熱つ…はい? P)お名前を伺ってもいいですか?
北上麗花
?)名前…ですか? P)失礼しました、私はこういう者です。
北上麗花
?)あっ、どうも…765プロダクション?…見世物……芸能関係のお仕事ですか?
高木社長
P)小さい会社なんですがね…そこでプロデューサーぽっいのをしてますよw
北上麗花
?)そうなんですね…ああ、私は「嶺花」と申します。
高木社長
P)嶺花さん…ね。なるほど、なるほど♪
北上麗花
嶺花)あの…苗字を尋ねないので?
高木社長
P)人間、一つや二つ…他人に話したくないこともあるでしょう? 嶺花)はぁ…。
高木社長
P)だから、私は突っ込んだ詮索はしませんよ? 嶺花)そうなんですか…
北上麗花
嶺花)では、これが本当だったらどうします?という話をしますが…宜しいですか?
高木社長
P)なんでしょうね…いいですよ?
北上麗花
嶺花)私がこの季節外れの雪を降らせました…その理由はなんでしょう?
高木社長
P)難しい質問ですね…うん。私は十数年振りにこの山を登りましたが…
高木社長
P)残念なことに、道の巾が倍位に広がり山は荒れ放題で…
高木社長
P)人の持ち込んだ塵もちらほら…それを見て憤慨した貴女が登山行楽の今の時期に…
高木社長
P)「山に登るな!」とこの様に雪を降らせた…かな?
北上麗花
嶺花)そうですね…面白いですね。
高木社長
P)そして、その雪で弱った人間の精気を抜き取り…
高木社長
P)人の荒らしによって奪われた、精気を取り戻そうとする。
高木社長
P)…でも主たる神はそれを認めるでしょうか? 嶺花)何が言いたいのです?
高木社長
P)貴女は主たる神に対して反乱でも起こそうとしているのですか?
北上麗花
嶺花)そっ…そんな事は有るものか!妾はただ、見返したいのじゃ…
高木社長
P)見返す?何をして?(…やはり、そうなのか…)
北上麗花
嶺花)上の神は万物のあらゆる精を一身に受けて、美しさを保っておる…。
北上麗花
嶺花)だが…妾はこの山裾に広がる…木々や川、動物たちから…
北上麗花
嶺花)僅かずつしか精を分けてもらうことしか出来ない。
高木社長
P)余りにも多くもらうと、山が痩せてしまうのですね?
北上麗花
嶺花)そうじゃ…引き換え、郷神達も人々から酒やら米やら供物で往々に頬をツヤ太らせて…。
高木社長
P)ふ…あはは。かっ神様も嫉妬なさるので?
北上麗花
嶺花)とっ、当然じゃ…あのように容姿にまで差を付けられては妾の出る幕はない…。
高木社長
P)…ご自分に自信がないので? 嶺花)なっ、何様じゃ?!
高木社長
P)もし、仮に今のお姿が貴女の本来の姿であるとするのであれば…
高木社長
P)私は、ウチの事務所で貴女をプロデュースしたいと思いますよ。
北上麗花
嶺花)ぷろで…なっ何と?妾を見世物にするのか?
高木社長
P)いいえ…違います。貴女の「良さ」をより世の中に広めて差し上げたいのですよ。
北上麗花
嶺花)なっ、なっ?わっ、妾は醜いで通っておるのだぞ…///
高木社長
P)それは「神様の世」の話ではないですか?今の人の世でしたら「美しい」で通ります。
北上麗花
嶺花)……妾が?
高木社長
P)はい、あくまで貴女が「山の神様」だったらのお話しになりますけどね。
北上麗花
嶺花)わっ、妾が……。 P)どうされました?
北上麗花
嶺花)………変わりました。 P)は?
北上麗花
嶺花)貴方の精気を抜き取り、この山に取り込んだまま返さないつもりでしたが…
北上麗花
嶺花)貴方を返しましょう…。 P)山の神様は私を取り込まなくて、大丈夫なのですか?
北上麗花
嶺花)ふっ…妾は人の数え切れない程の世代を見て来た神じゃ…容易く消えることは無かろうて。
高木社長
P)すると…お眠りになるので? 嶺花)成らん…おぬしに「憑いて」行く。
北上麗花
P)え…祟られるんですか? 嶺花)間違えた…おぬしに身を預けようぞ。
高木社長
P)はっ、ありがとうございます…でもそのお身体は他人のものでは… 嶺花)まぁ先ず聞きなさい
北上麗花
P「と、嶺花さんはマグカップから湯気の揺らぎが消えたソレを口に運んだ…」
(台詞数: 50)