黒井社長
P「今日は“Theater Activities”の学園ホラーのロケに来ている。しかし…」
黒井社長
P「まさか曰く付きの廃校を撮影会場に使うとは…。スタッフもかなり気合いが入っているな。」
黒井社長
P「確か今は霊役の麗花が撮影を行っているはずだ。もうすぐ終わる時間だしこの辺りで…」
北上麗花
あっ、ここにいましたね〜。
黒井社長
P「おわっ!? い、いつの間に俺の後ろに…? 気配なんて微塵も無かったぞ。まるで…」
北上麗花
本物の幽霊みたい、ですか? ふふっ♪
黒井社長
P「…まぁ、役に磨きがかかっているのは何よりだ。それじゃ麗花、そろそろ帰…」
北上麗花
その前に、この学校にまつわる怪談があるんですけど、聞きますか?
黒井社長
P「うん? なるほど。麗花もロケ地の情報を個別で調べたのか。勉強熱心で偉いぞ。」
黒井社長
P「で、どんな怪談なんだ? 俺もここの怪談については一通り調べたのだが…。」
北上麗花
無念の内に最期を遂げた女の子の物語です。
黒井社長
P「亡くなった女の子…? トイレの怪や体育館のラップ音は聞いたけどそれは初耳だな。」
黒井社長
P (もしや世間に出回ってない隠された怪談とか? それはそれで興味があるな…。)
北上麗花
7年前、ここがまだ学校として機能していた時の話です。あるクラスに一人の女の子がいました。
北上麗花
その子は生まれつき体が弱く、学校も時々病欠で休む日々を送っていました。
北上麗花
けれど彼女にはある一つの夢がありました。その彼女の夢というのはアイドルになることです。
北上麗花
学校帰りに養成所に通い、憧れのアイドルになるため日々病弱な体と闘い鍛錬を重ねてきました。
黒井社長
P「体質にも負けず熱心な子だな。今も生きていたら是非ウチにスカウトしたいところだ。」
北上麗花
………。
北上麗花
そんな中、彼女にある事務所からスカウトの話が来ました。もちろん彼女は快く受け入れました。
北上麗花
そして翌日、最高の気分で登校し、授業を終えて帰り支度を済ませ、帰ろうとした矢先、
北上麗花
彼女は突然の発作で倒れ、病院に搬送されたが間に合わず、そのまま息を引き取りました…。
黒井社長
P「……本人は一生懸命努力していたのに、運命は残酷なものだな……。」
北上麗花
その日を境に学校で奇妙な現象が起きる様になりました。無人で流れるトイレに体育館のラップ音、
北上麗花
無人の教室から女の子の歌声が聴こえた、と証言した生徒もいるそうです。
北上麗花
………そう、ちょうどこの夕暮れ時の時間帯で……。
黒井社長
P「………!?」
黒井社長
P (今、突然寒気を感じたような……。気のせい、か?)
北上麗花
うふふ♪ 終わりです。どうでした? 雰囲気出てました?
黒井社長
P「……凄いぞ麗花。まるで本当に霊になりきったかのような感じさえしたよ。」
北上麗花
それは光栄です♪ あー今日は楽しかったな〜。
黒井社長
P「さてそろそろ帰るぞ。みんなも待ってるし。」
北上麗花
……みんなで楽しくアイドルが出来るっていいよね……。
黒井社長
P「……ん? 今何て……おっと電話か、失礼。」
黒井社長
P「はい、お疲れ様です。あ、はい。北上麗花ならこちらに…え? 瑞希と一緒に昇降口にいる?」
黒井社長
P「でも彼女は私の前に…あれ、いない!? あ、いや、私の思い違いでした。すみません……。」
黒井社長
P「はい、ではすぐにそちらへ向かいます。失礼します。」
黒井社長
P「バカな…ここは3階だぞ…。海美でさえこんな数秒で移動出来る距離ではないのに…。」
北上麗花
『本物の幽霊みたい、ですか? ふふっ♪』
黒井社長
P「いや、まさか、な……。ハハ、ハハハ………。」
(台詞数: 40)