周防桃子
「みんなー、今日は楽しんでいってねー!」
周防桃子
…うん、いい感じ。声も体も、桃子の思い通り。
周防桃子
ううん、それ以上かも。声はいつもよりおっきな声が出るし、ステップも軽やか。
周防桃子
ふふ、羽が生えたみたいって、こういうことを言うのかな。なんだかふわふわした気分。
周防桃子
きっと、これが楽しいってことなのかな。
周防桃子
変な感じ。楽しんでいってねって、言った桃子本人が一番楽しいなんて。
周防桃子
でも、楽しいんだもん、しょうがないよね。
周防桃子
夢の中みたいなステージ、お星様みたいなサイリウム。
周防桃子
こんな景色も会場のみんなの視線も独り占め。
周防桃子
楽しくない方がおかしいよね、ぜーんぶ桃子の欲しかったものなんだもん。
周防桃子
そのためにたくさん練習して、辛いことも乗り越えてきた。
周防桃子
努力が報われる瞬間って、こんなに気持ちいいんだ。
周防桃子
……努力。
周防桃子
…桃子ね、ずっと、アイドルになりたかったの。
周防桃子
大人に喜んでもらうためのアイドルじゃなくって、見てくれるみんな笑顔にするためのアイドル。
周防桃子
なれるアイドルになるんじゃなくって、なりたいアイドルになる。
周防桃子
だからがんばれるし、がんばる価値もあるって思う。
周防桃子
そのためなら、桃子、どんなことだって乗り越えられるんだよ。強いもん。
周防桃子
……ねぇ、お兄ちゃん。
周防桃子
お兄ちゃんは、桃子のことずっと見ててくれたよね。
周防桃子
桃子、ちゃんとアイドルになれたかな?
周防桃子
桃子のなりたかったアイドル、ちゃんとなれた?
周防桃子
…ちょっとだけ、視線をお兄ちゃんにやってみる。
周防桃子
視線の先のお兄ちゃんは、ハンカチで目を押さえてた。ふふ、相変わらず子供みたいだね。
周防桃子
……でも、お兄ちゃんのそれが、桃子の欲しかった答えなのかも。
周防桃子
あの日の桃子じゃ、お兄ちゃんのそんな顔、きっと見られなかったから。
周防桃子
なりたい自分、なれたのかな。そうだったら嬉しいな。
周防桃子
……でも、まだまだここからだよ。
周防桃子
桃子の本気はこんなものじゃないんだから。
周防桃子
もっともっと、会場ぜーんぶ、桃子が独り占めしてあげる。
周防桃子
夢みたいなって言葉、好きじゃないんだけど…
周防桃子
今から見るもの全部、夢みたいって思えるくらいすごいんだから。
周防桃子
さぁ、夢でお会いしましょう?
周防桃子
期待してなさいっ!
(台詞数: 34)