周防桃子
事のはじまりは3日前。
周防桃子
社長さんから話があるというので行ってみれば、そこには765プロのみんなが集まっていた。
周防桃子
…ふーん、全員集めたんだ。だったら、なにか重要な話があるってことだよね?
周防桃子
そう思って少し身がまえていると、社長さんがみんなの前に立って話し始めた。
高木社長
「アイドル諸君。忙しい中、よく集まってくれた。」
高木社長
「今日君たちを呼び出したのは他でもない…。新たな企画を発表するためだ!」
周防桃子
…企画、か。なんだろう?
高木社長
「765プロが発展してきた理由。それは、皆が同じ目的の為に一致団結してきた事にある。」
高木社長
「そして、私は常々、キミたちの仲の良いことを、とても素晴らしいと思っている。」
高木社長
「しかし、頂点に立つのはただ1人…その仲間でさえも、ときにライバルとなるのがこの業界だ。」
高木社長
「だからこそキミたちには、1人で戦い抜く強さというものも重要であると知ってもらいたい。」
周防桃子
…いつもの企画とはちがうみたい。そう思った桃子の耳に、社長さんの次の言葉が飛び込んできた。
高木社長
「今回の企画は、765プロの中で行う、トーナメント式のライブバトルだ。」
周防桃子
…えっ?
周防桃子
それって、765プロの中で一番を決めるってことだよね!?
周防桃子
それって、すごくいい!桃子の実力を証明できるチャンス!
高木社長
「エントリーするのは8人。私が今現在でもっとも勢いがあると認めたアイドルたちとなる。」
高木社長
「選ばれた者は誇りを持って、そうでない者は次回こそは選ばれるように、頑張ってくれたまえ。」
周防桃子
…たった8人!?それだけじゃ、桃子まで呼ばれるかどうか…。
高木社長
「…それでは、その8人を発表する。」
周防桃子
選ばれて、選ばれて、選ばれてよ…!
高木社長
「…周防桃子君!」
周防桃子
やった、呼ばれた!しかも、いちばん最初に!
周防桃子
うんうん。さすがは社長さん、見る目があるよね!
周防桃子
「はいっ!!」
周防桃子
思わず元気のいい返事が出て、あまりいつもの桃子らしくなかったけど、まあいいや。
高木社長
「うむ、いい返事だ…!続いて、最上静香君、星井美希君、篠宮可憐君!」
周防桃子
静香さんの返事は気合が入っていて、美希さんは…寝てる?可憐さんの小さな返事が続いて。
高木社長
「如月千早君、天海春香君、田中琴葉君、馬場このみ君!」
周防桃子
後の4人は、みんなしっかりとした返事を社長さんに返した。
周防桃子
うっ…。自分の名前が呼ばれて喜んでたけど、本当に手ごわい人たちばっかり。
周防桃子
特に、千早さんと美希さんは、765プロの中でもトップクラスの実力者だし。
周防桃子
というか、考えてみれば桃子以外はみんなユニットリーダーを務めていた人だよね…。
周防桃子
何で桃子が選ばれたのか、わからなくなってきたけど…。
周防桃子
…ううん、弱気になっちゃダメ!桃子は年上にだって負けないよ!
周防桃子
ぐっとこぶしをにぎりしめて、桃子は闘志をふるい起こしたのである。
周防桃子
…その時は。
(台詞数: 37)