周防桃子
散り逝く櫻よりまだ多く。
周防桃子
一様に並ぶは剣の墓所。
周防桃子
櫻よ櫻。
周防桃子
皆と過ごしたあの一期。
周防桃子
夢ではなかったと──教えておくれ。
周防桃子
──────
周防桃子
天下は泰平。郷里は平穏。
周防桃子
焼けた野原に彩が咲く。
周防桃子
世が喧騒を忘れ、幾星霜。
周防桃子
世は忘れども、桃子はこうして剣を振る。
周防桃子
勝ち得た余韻に驕らぬよう。
周防桃子
心身を堕落させぬように。
周防桃子
然して懊悩煩悶、消え果てず。
周防桃子
過ぎゆく月日は幻のよう。
周防桃子
それは魂の宿らぬ生き人形。
周防桃子
剣は惰性に振られ。
周防桃子
心情など欠片もない。
周防桃子
消えてなどいない。
周防桃子
置いたのでしょう。とうの昔に。
周防桃子
笑い合い、語り合った。友の元へ。
周防桃子
蘇る景色は櫻化粧。
周防桃子
春夏秋冬、いつの日も。
周防桃子
我が心は、皆と共に。
周防桃子
共に──在るのでしょう。
周防桃子
櫻よ櫻。
周防桃子
皆は樂しくやっているか?
周防桃子
櫻よ櫻。
周防桃子
皆は酒にありつけたか?
周防桃子
櫻よ櫻。
周防桃子
皆の声が聞きたいぞ。
周防桃子
櫻よ、咲くな。
周防桃子
皆の顔を思い出してしまうから。
周防桃子
──────
周防桃子
散り逝く櫻よりまだ多く。
周防桃子
一様に並ぶは剣の墓所。
周防桃子
櫻よ櫻。
周防桃子
皆で過ごしたあの一期。
周防桃子
夢ではなかったと──教えておくれ。
(台詞数: 38)