周防桃子
玄武/『皆様お集まり頂きありがとうございます。それではモモコお嬢様、宜しくお願い致します』
周防桃子
『う、うん…じゃあゲンブ、踏み台持ってきて…』
周防桃子
玄武/『かしこまりました…こちらになります』
周防桃子
『あ、ありがと…よいしょっと…』
周防桃子
『ふ、踏み台に乗ったモモコには…すべてが見えるの!なんたって、モモコはテンサイだからね!』
周防桃子
『この事件の犯人も、密室のトリックもすべてお見通しなんだから!』
周防桃子
『この事件の犯人は……』
周防桃子
『この事件の犯人は……あなたよ!!!』(一同ざわつく)
周防桃子
玄武/『…?僭越ながら進言させて頂きますが、そちらの方のアリバイは疑う余地がありません』
周防桃子
玄武/『今回の犯行は不可能ではないでしょうか。周防のアネさん…』
周防桃子
……
周防桃子
玄武/……はっ!失礼しました!周防のアネさん…
周防桃子
いや、そういう所だから……スタッフ/カットでーす。
周防桃子
ちょっと休憩ですか?わかった。じゃあ楽屋戻ろ、お兄ちゃん。
周防桃子
玄武/また俺のミスでカットか。くっ、自分の未熟さが見に染みるぜ…なぁ番長さん、
周防桃子
玄武/監督さんの所へ話に行ってもいいかい?もっと役について千思万考してぇんだ。
周防桃子
玄武/…番長さんも一緒に行く?ありがてぇ!それじゃあ周防のアネさん、行ってきます!
周防桃子
別にいちいち桃子に言わなくてもいいけどね。はい、いってらっしゃい。
周防桃子
(楽屋に戻る)ふぅ、なんだか疲れるお仕事だな。お兄ちゃんジュースある……?ありがと。
周防桃子
…でも、黒野さんって休憩入るといつもカントクさんと演技の相談してるよね。
周防桃子
え?別に、それがヘンだなんて思ってないよ。むしろ、見た目より真面目でびっくりしてるもん。
周防桃子
執事役もしっくりきてると思うよ。まぁカットは多いけど、もっとヘタな新人はいっぱいいたし。
周防桃子
だから余計に…あねさんとか呼ばれるのヘンな気分!セリフじゃなくて普通に呼ぶんだもん!
周防桃子
……お兄ちゃん?笑い事じゃないよ!お兄ちゃんが思ってるよりずっとやりづらいんだからね!
周防桃子
もう、桃子の身にもなってよね…じゃあちょっと桃子も出てくるから。
周防桃子
どこへ行くのかって……すぐ戻るから、いちいち聞かないで!デリカシー無さすぎ!
周防桃子
(トイレから出る)こんな調子で撮影だいじょうぶかな…でももう始まるから、戻らなきゃ…
周防桃子
スタッフA/いや～、あの黒野玄武って新人マジメだね～。今も監督と演技の相談してるってさ。
周防桃子
スタッフB/だよな。元ヤンって聞いてたけど…意外とそういう奴の方が、真面目で熱心なのかも。
周防桃子
(角を曲がった所でスタッフさんがお話してる…もうっ、通りつらいな……)
周防桃子
B/でも、それに比べてあの周防桃子はダメだな。ガキのくせに冷めすぎてて生意気だよ。
周防桃子
えっ…?(桃子が近くにいることに気付いて無い…?)
周防桃子
A/あ～、わかる。楽屋個室だし、なんかベテランですよって空気出してきてんのな。
周防桃子
B/可愛げもねぇしな。でもってチヤホヤされて今回主役やるんだから、良いご身分だよ本当…。
周防桃子
……(べ、別にこんなこと、今までいっぱい言われてきたし…)
周防桃子
A/まぁ子役なんてロクな大人には…いや、周防桃子って今はアイドルなんだっけ?
周防桃子
B/765プロだって。子役で落ち目になってアイドルね…前みたいにチヤホヤされたいんだろ。
周防桃子
B/765も元子役なんか拾ってどうすんだろうな。役者のコネでも作る気か…?どこも必死だな。
周防桃子
……ううっ(ち、違うもん…桃子はそんな気持ちでアイドルやってない…じ、事務所だって…)
周防桃子
玄武/…周防のアネさん?何してんだいこんな所で。もう撮影再開するぜ?
周防桃子
あっ、く、黒野さん……ぐすっ。
周防桃子
玄武/アネさん?どうして泣いてんだ?どこか怪我でもしたのか!?
周防桃子
A/お、黒野玄武じゃん。やっぱタッパあるな…え?周防桃子?泣いてる?ま、まさか今の話…
周防桃子
玄武/今の話…?おいあんたら、周防のアネさんに何かしたんじゃねぇだろうな?あぁ?
周防桃子
B/い、いや、別に俺たちは何も言ってない……
周防桃子
な、何でも無いよ!何も無かったし…何も聞いてないから!じゃあ桃子戻るから……タタッ
周防桃子
玄武/何も無かったらどうして涙なんか…アネさん、そっち階段…!
周防桃子
……タタッ(気にしてない!気にしてない!気にしてないもん!)
周防桃子
……ズルッ(え?階段、ふみ外して…)きゃあっ!!!
周防桃子
玄武/あ、アネさん!!!
(台詞数: 50)