ジュリア
旨いか、それ?
周防桃子
うん。ジュリアさんも食べる?
ジュリア
あたしはいいよ。たんと食べな。
周防桃子
えへへ……。
ジュリア
………………。
周防桃子
……あ。
周防桃子
ま、まぁジュリアさんにしては上出来だと思うよ?
ジュリア
へっ、練習した甲斐があったな。
ジュリア
ハルに教わったんだ。モモコがふやける必殺レシピ。
周防桃子
……なにそれ。
ジュリア
お見通しってことだよ。
周防桃子
………………。
周防桃子
ねえ、ジュリアさん。
周防桃子
お母さんに……その。
周防桃子
お菓子作ってもらったこととか、ある?
ジュリア
……モモコ。
ジュリア
さあ、どうだったかな。あたしは親不孝者だから。
ジュリア
ま、覚えてないってことは大して旨くもなかったんじゃないか。
周防桃子
……そう。
ジュリア
なあ、モモコ。
ジュリア
まだ旨いか? それ。
周防桃子
なにが言いたいの。
ジュリア
家族に代わりなんて居ないよ。
周防桃子
っ……!
ジュリア
家族ってのはな、無償の愛なんだ。
ジュリア
理屈抜きで、一方的に捧げる愛。
ジュリア
他人同士じゃそうはいかない。愛されたいなら見返りが必要だ。
周防桃子
……知ってる。
ジュリア
家族みたいに接していけたらって思うけどさ。
ジュリア
あたしだって怖いんだ。些細なことでモモコを傷付けるかもしれない。
ジュリア
だからさ、モモコ。
ジュリア
あたしたちを頼れよ。色んなモモコを教えてくれ。
ジュリア
その分だけ、あたしも素直になれるから。
周防桃子
……生意気。
ジュリア
は?
周防桃子
生意気って言ったの。桃子の方が先輩なのに。
周防桃子
第一、全然カッコついてないよ。
ジュリア
おいおい、どういうことだよ。
周防桃子
だってそうでしょ。ジュリアさん、最近家族と会った?
ジュリア
……あたしのことはいいだろ。
周防桃子
良くない。ジュリアさん、怖いって言ったでしょ。
周防桃子
家族だってそうだよ。相手のことが分からなくて、傷付けるのが怖くて、怯えてる。
周防桃子
……他人はいくらでも居るけど、家族に代わりは居ないんだよ。
ジュリア
……知ってるよ。
周防桃子
だからね。
周防桃子
ジュリアさんの家族、呼んじゃった。
ジュリア
は? ちょっと待て、なんであたしの家族を……。
周防桃子
お兄ちゃんが教えてくれたよ。親孝行も大事だって。
ジュリア
あんの、バカP……!
周防桃子
桃子に勝とうなんて10年早いんだから。さ、こっちだよ!
(台詞数: 50)