我那覇響
へっへーん、これが今回の劇の衣装だぞ。どうだ、似合ってるだろ?
四条貴音
ほう、これは…
四条貴音
女騎士、というやつですね?
我那覇響
子豚だぞ。
星井美希
よく似合ってるの。ねえねえ響、アレ言って欲しいの。
我那覇響
アレ?
星井美希
くっ…殺せ!
我那覇響
子豚だぞ。
四条貴音
これは失礼。つまり今回の響は子豚なのですね?
我那覇響
三匹の子豚だな。自分は頼れる長女の役なんだ、雪歩と紗代子を守って…
星井美希
女の子の響が豚さんなの。それはつまり。
四条貴音
要約すると、めすぶ…
我那覇響
言わせないぞ?
我那覇響
ったく毎回毎回。弄るのもほどほどにしろよな、ほんとにもう。
星井美希
ゴメンゴメン。けどさ、そーゆーカッコって事は、アクションシーンとかもあるの?
我那覇響
ああ、狼役の環をやっつけようとひと暴れするんだ。やりすぎで家を壊したりしちゃうんだぞ。
星井美希
あはっ、響らしいの。
我那覇響
おいおい、どういう意味だよそれ。まあ確かにちょっと単細胞キャラなんだけどさ。
星井美希
ヨロイを着けた、単細胞な女の子。それってつまり…
四条貴音
女戦士ですね?
我那覇響
子豚だぞ。
星井美希
魔王に囚われた姫を助けに来てくれたのは、素敵なハニーみたいな勇者様ではなくて…
四条貴音
猪突猛進な女戦士であった。はじめのうちこそ勇者でない事に落胆を覚える姫であったものの。
星井美希
そこらの男よりずっと頼りになる女戦士に次第に心を惹かれていって…
我那覇響
子豚だぞ。
我那覇響
どうしたんだ二人とも、今日はいつもより酷いな。何か悪い物でも食べたのか?
四条貴音
響、いくらわたくしが些か食欲があるとはいえそのような真似は致しませんよ。
星井美希
ミキも。変な物なんて食べたりしないの、子供じゃないんだし。
我那覇響
そっか、そりゃそうだよな。ちょっと言い過ぎたかもだよな、ゴメン…
四条貴音
小鳥嬢に幾つか本をお借りなどは致しましたが。
星井美希
ミキは百合子からなの。
我那覇響
よし、原因はそれだな。二人ともペッしなさいペッ。
四条貴音
申し訳ありません。響の演じる世界がどのようなものかを知っておきたくて。
星井美希
ミキも。百合子ならそういうの詳しいのかなって思って。だから…
我那覇響
その気持ちは嬉しいけど、頼る相手を致命的に間違えたな。
我那覇響
そもそもこれは童話だぞ。あんまり世界観とかに捕らわれずに観てくれよ。な?
四条貴音
そういうものですか。
我那覇響
ああ。だってほら、皆で建てた家見てくれよ。オートロックにシャッター付きだぞ?
我那覇響
世界観めちゃくちゃじゃないか。こういうのは楽しんで観てもらえればそれでいいんだよ。
星井美希
そっか、そうだよね。
四条貴音
では、わたくし達は精一杯響の演技を愛でる事に致します。
我那覇響
微妙に気になる言い方だな…まあいいか。
四条貴音
しかし、この家を見ていると何やらアレを連想させられますね。
星井美希
それはミキも思ったの。
我那覇響
アレ?
星井美希
愛した男が、
四条貴音
極道だった。
我那覇響
子豚だぞ。
(台詞数: 48)