ジュリア
俺には君を幸せにする術がない。
ジュリア
あんたはあたしにそう言って、あたしの淡い期待を打ち砕いた。
ジュリア
あたしの乙女心はズタズタに引き裂かれて、声は枯れた。
ジュリア
ああ、わかってたよ。
ジュリア
あんたはあたしの未来を潰したくなかったんだ。
ジュリア
あたしには見えなかった、あたしの未来を、あの頃からずっと、あんたはしっかり見据えてたんだ。
ジュリア
あたしは浮かれてた。
ジュリア
浮わついた気持ちで、掴めもしないのに、あんたとあたしの夢を見てた。
ジュリア
絵空事を描いてたんだ。
ジュリア
でも、それは、あたしがここにきた理由を否定しちまうもんだって、あんたは気付いてた。
ジュリア
それだから、現実にあたしを引き戻してくれたんだろう。
ジュリア
人を憂い、想えるあんたらしい決断だって思う。
ジュリア
でもその優しさが、あたしを余計に傷付けたんだ。
ジュリア
あの日、あんたに言われた言葉を思い出して、噛み砕く。
ジュリア
それでやっとあの言葉の意味を理解して、自分の中に落とし込めたんだ。
ジュリア
苦い。
ジュリア
甘酸っぱい味なんかするわけない。
ジュリア
仮にするとしたら、あたしはとんだ味覚障害者だろう。
ジュリア
あの苦さが今でも抜けない。
ジュリア
歌詞にするなら、あたしはきっと恋愛恐怖症だ。
ジュリア
この歌もきっと完成させられない。
ジュリア
呆れちゃうよな。
ジュリア
どんなにそれらしい言葉を並べたって、説得力が全くないんだ。
ジュリア
どんなに歌が上手く歌えても、ダメなんだ。
ジュリア
あたしの想いはあんたには届かない。
ジュリア
だから、あたしはラブソングが歌えない。
(台詞数: 26)