アラン・スミシーと呼ばれて
BGM
アイル
脚本家
nmcA
投稿日時
2016-11-29 01:42:50

脚本家コメント
ストリート時代のジュリアについて不勉強な部分がありますが大目に見てくだされば。
アラン・スミシー
映画制作中に映画監督が何らかの理由で降板してポストが空席になったり、何らかの問題で自らの監督作品として責任を負いたくない場合にクレジットされる偽名

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ジュリア
なんだよ、この世界にいてアランのことも知らないのか?
ジュリア
まっ、教えてやってもいいが……あとでリツ姉かモモにでも聞いてくれ。
ジュリア
……え?あたしは知っているさ。憧れもしたからね。
ジュリア
忘れもしないよ。ストリートでギターを弾いてた時に言われたんだ。
ジュリア
「……ふん、まるでアラン・スミシーだな」って
ジュリア
ちなみに言ったのはプロデューサーもよく知っている人だぜ。
ジュリア
そうそう、ウチの事務所じゃないほうの社長だよ。
ジュリア
まっ、中途半端にアランのことを知ってたあたしは素直に喜んじまったけどな。
ジュリア
……ロックだと思ったんだよ。名声を捨てて偽名を取るだなんて。
ジュリア
あたしも「ジュリア」って仮の名前で演奏してたし、ちょっと親近感を感じたりしてさ。
ジュリア
それから、あたしはアランを心の師として演奏を続けたよ。
ジュリア
世間の評価なんて気にしねぇ、アタシはアタシの好きなように歌うんだってね。
ジュリア
……
ジュリア
……なんだ、アランのこと、調べたのか。
ジュリア
別の日に同じように演奏していたら、黒井社長が目の前に現れたんだ。
ジュリア
あたし馬鹿正直に「この前はありがとう」ってお礼を言ってしまってさ、
ジュリア
そしたら、いつもの高笑いだよ。
ジュリア
お前みたいな無知な奴には用はないって捨て台詞と一緒にね……。
ジュリア
ライブが終わってから調べたら、まぁ、そういうことだ。
ジュリア
あたしはその時初めて知ったよ。
ジュリア
胸の裡を言い当てられたとき、悔しさよりも情けなさが出るってね。
ジュリア
それでも、あたしはロッカーだ。ストリートで歌い続けたよ。
ジュリア
悔しさも情けなさも歌に乗せる。それがあたしのやり方だと思ってた。
ジュリア
だけど、それじゃあ、あたしはアランのままだった。
ジュリア
"自分の"悔しさを、"自分の"情けなさを、ただ路上でぶちまけているだけ。
ジュリア
でも、それでも、あたしはそのやり方を突き通すしかなかった。
ジュリア
毎日叫んで、叫んで、叫んで、叫んで
ジュリア
……叫んだよ。
ジュリア
……無責任に、一方的に。
ジュリア
そんなときだ、ウチの社長にスカウトされたのは。
ジュリア
初めは何言ってんだと思ったよ。ストリートロッカーを捕まえてアイドルだなんてさ。
ジュリア
それでも、ついていったのはアランのことが頭にあったからだと思う。
ジュリア
……正解だったよ。社長についてきてさ。
ジュリア
チハのように心を震わす歌
ジュリア
ヤッコのように心を励ます歌
ジュリア
ユキのように心を温める歌
ジュリア
自分の気持ちを伝えるだけが歌じゃない、相手の気持ちを汲み取ることも歌なんだって。
ジュリア
ストリートに戻ってもよかったけど、あたしも不義理じゃないからね。
ジュリア
……お陰で恥ずかしい恰好はさせられるわ、可愛らしい歌を歌わされるわで大変だけどな
ジュリア
……名前?別にいいだろう?ジュリアのままだって。今じゃこれが本名みたいなもんなんだし。
ジュリア
それに、今でも心にはアランがいるんだ。戒めのためにもね。
ジュリア
そういう意味では、黒井社長にも感謝しないといけないな。
ジュリア
……そういえば、黒井社長とウチの社長って知り合いなんだよな。
ジュリア
いや、なんであのタイミングでうちの社長はあたしをスカウトしたのかなって、ふと考えてさ。
ジュリア
……いや、まさかね。
ジュリア
え?ああ、つまらない考えだよ。
ジュリア
責任感のあるアラン・スミシーがいたのかなってね。

(台詞数: 47)