ジュリア
あたしは一昨日の依頼を受け、4916(ユグドル)プロの事務所に来ていた...だけど
ジュリア
「すっげぇ...まるでミュージアムをみたいじゃないか....」
黒井社長
夏木社長「では、改めて『芸能界最大にして最新の企業』4916プロへようこそ。」
黒井社長
夏木社長「私は社長の『夏木謀(なつきはかる)』だ。 よろしく頼む。」
ジュリア
夏木謀...その名前通りのキツい顔してるオッサンだな...
黒井社長
謀「さて...君には依頼の話をしないといけないのだが...先に紹介しておこう。」
ジュリア
夏木社長がそう言うと奥の方から歩いてくる人影が見えた...背の高い女だ。
黒井社長
謀「...妻の『テレーズ』だ。 ...このプロダクションの取締役でもある。」
ジュリア
テレーズ「Bonjour...ミスジュリィ。 聞いていたよりも可愛い子じゃない。」
ジュリア
その人は品がよくて...何より美人だった。このオッサンと釣り合わないほどに...
ジュリア
テレーズ「名前は...言わなくてもいいわよね。 歳は39、成人の息子が一人いるの。」
ジュリア
テレーズ「その息子が本当に格好よくて可愛くて、完璧で本当に自慢の子なのよ!!」
ジュリア
...なんか息子の事を熱く語りだしたぞ...この人。
黒井社長
謀「...もうそろそろ本題にな...時間もないし...。」
ジュリア
テレーズ「ああ...ごめんなさいね、ジュリィちゃん。 それでは本題に入ります。」
ジュリア
テレーズ「...確か貴女、ロックシンガーを目指してる...のよね?」
ジュリア
「え...まぁ...一応そんなところです...。」
ジュリア
テレーズ「ならよかったわ。 ...それを踏まえた上で頼みがあるの。」
ジュリア
あたしは...この人の目がだんだん真剣になっているのに気がついた。
黒井社長
謀「...その夢、叶えてみないか?」
ジュリア
テレーズ「今から開かれる社内大会で、結果を残せれば...」
ジュリア
テレーズ「今から開かれる社内大会で、結果を残せれば...こちらでデビューさせてあげる」
ジュリア
...
ジュリア
...マジで!?
ジュリア
...いやいやいや、さすがにコレは運が良すぎな気がする...でも、考えてみろ。
ジュリア
こんなチャンスはめったにない。...何せ結果を残せればいいんだ。
黒井社長
謀「ちなみに優勝したらそれはそれでいいことあるし、負けてもちゃんとギャラは出す。」
黒井社長
謀「...それにきっと...いい経験になると思う。 これからの事を考えてものことだ。」
ジュリア
「...」
ジュリア
「...わかった、出るよ。」
ジュリア
テレーズ「よかったわ! さあ、詳細は今から話すからね♪」
ジュリア
あたしは口車に乗せられるように、4916プロの大会に参加することになった。
ジュリア
あたしの何がそうさせたのかはわからない...もしかしたら欲しかったのかもしれない。
ジュリア
...溢れるばかりの称賛と、刺激というヤツに...あたしは飢えてたのかもしれない。
ジュリア
こうして、あたしは大会に参加することになって、そして知った...
ジュリア
こうしてあたしは大会に参加することになってそして知った...『越えられない壁』というものを
(台詞数: 36)