無敵の日々
BGM
プラリネ
脚本家
平沢ヒラリー
投稿日時
2016-09-26 23:55:30

脚本家コメント
滑り込みセーフなジュリア誕生日記念ドラマ。元ネタはTHE グルーヴァーズの同タイトルの曲名より。たまにはちょっとだけ今の自分を後悔しているジュリアってのを書いてみたかったがこういう書き方は向いてなかったと自分が後悔しております。

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ジュリア
ガキの頃から音楽が大好きだった。生涯これで生きていくんだ、と心に決めて。
ジュリア
けど、中学卒業と同時に応募したオーディションはことごとく落選ばかり。今思えば当然だけど。
ジュリア
1通だけ届いた一次審査合格の通知。喜び勇んでそこに向かった。生きる道が繋がった、と。
ジュリア
だけど、何かが違う。ガールズバンドは珍しくないけどなんで女ばっかなんだ?
ジュリア
面接の時、眼鏡を掛けた女に言われた衝撃的な台詞は今でも覚えてる。
ジュリア
「あら、ロック好きなの?面白いかもね、ウチも346に負けない人材を集めなきゃだし。」
ジュリア
…ここが芸能事務所でも、募集していたのはアイドルだと知ったのはその時だった。
ジュリア
どうせ受からない。いや、受かってたまるか。そう思ったから声を張り上げて歌ってやった。
ジュリア
なのに、変なオッサンだ。何が「ティンと来た」だよ、こんなアイドルがどこにいる?
ジュリア
契約なんざゴメンだって断るアタシを拝むように口説いて。一体何が気に入ったんだ?
ジュリア
面倒くさくなったから、条件を出した。アタシは、アイドルなんてやりたくない。
ジュリア
辞めたい時はいつでも辞めていいってんなら、契約してやる。あと、本名その他も伏せる。どうだ?
ジュリア
…つくづく後悔してるよ。まさか、それでも良いなんて言われるとは思わなかったさ。
ジュリア
こうしてアタシはこの事務所にやって来た、ってワケだ。その後はまあ、知っての通りさ。
ジュリア
けど。今でも思う時がある。
ジュリア
もしもあの時、アタシがきちんとここの事を調べていて、二次審査に来なければ。
ジュリア
あの時、何を言われても断り続けていたとしら。その時アタシは、どうなっていたのだろうか、と
ジュリア
ちょっと不良入ったバンドやってる高校生…まあ、その辺が妥当だろうな。
ジュリア
けど、どうだろうな?もしかして、目指してたロックの世界でやれていたのかもしれない。
ジュリア
だとしたら、今頃どんなバンドをやってただろう。マイナーで売れない無名の存在だろうか。
ジュリア
それとも、若くとも実力のある新進気鋭のロックミュージシャン、なんて言われて大活躍中?
ジュリア
…ああ、分かってる。選んだのはアタシだ、文句なんて言わないよ、この世界も悪くはないしね。
ジュリア
最初に言った条件も今の所出す気は無いよ。昔のアタシなら信じられないような気もするけどね。
ジュリア
けど…
ジュリア
……なあ、プロデューサー。
ジュリア
自分で選んだ道だってのは分かってる。決めたからには、精一杯やって来たつもりさ。
ジュリア
思った以上に大変だったけど、どうにかうまくやれてる気はする。仲間も大勢出来たしね。
ジュリア
いつまで続けるか分からないし、本名を教える気は今でもないけど、後悔はしてないさ、本当だよ。
ジュリア
けど、さ…虫のいい話だよ。こんな事頼むのは筋違いだって、それも分かってる。だけど。
ジュリア
一言だけでいい。アタシの選んだ道は間違いじゃなかった。そう、言って欲しいんだ。
ジュリア
自分の決めた事を誰かに後押しして貰おうなんて、ロックやってる人間の風上にも置けない。
ジュリア
たとえ間違った道だとしても構わず突き進む。それが、本当にロックな生き方だ。
ジュリア
生き方が間違ってるかなんて、確かめるようなものじゃない。だけど、どうしても確かめたいんだ。
ジュリア
だから…
ジュリア
なあ、プロデューサー。もう1度聞くぜ?
ジュリア
アタシの選んだ道に間違いは無かった。そうだろう?
ジュリア
…一言だけでいい。一言、そう言ってくれれば、それだけでいいんだ。
ジュリア
それさえ分かれば、アタシはー

(台詞数: 38)