ジュリア
あたしは...自分の演奏にはそれなりに自信は持っていた。
ジュリア
そりゃそうだ。 何せ物心つくころ前からロックシンガーになりたい...そう思ってたから。
ジュリア
しかし、そんなあたしの自信は今、
ジュリア
しかし、そんなあたしの自信は今、打ち砕かれようとしていた。
ジュリア
本来はあたしがメインでサイファはあくまでもそれに合わせる...そう言っておいたのに...
ジュリア
...いつの間にかあたしの方がサイに合わせるようになりかけていた。
ジュリア
...追い抜いたと思ったら追い越されそうになる...あたしの心は観客どころではない
ジュリア
しかもその演奏はなんというか...
ジュリア
しかもその演奏はなんというか...乱暴な演奏だ。
ジュリア
ただ曲や相手の事を考えない、自己中であまりにも勝手すぎるコード(音)だ
ジュリア
(サイ、もう一度あの練習通りのやり方に戻れ!)
ジュリア
このままだと、曲が壊れる...あたしはサイに目配せをしようとした時だった...
ジュリア
「...っ!?」
ジュリア
いつもならミス一つでガタガタになるサイが...
ジュリア
いつもならミス一つでガタガタになるサイが...笑っていた。
ジュリア
右目にかかった青黒い髪から覗く目は気味の悪いくらいにギラギラと輝いている。
ジュリア
何とか立て直そうとあたしがペースを調えるけど、すぐに壊されてしまう。
ジュリア
あたしが調えようとすればするほど、アイツはペースを早く、激しくしてくる。
ジュリア
あたしは...
ジュリア
あたしは...サイに飲まれちまうのか...
ジュリア
────
ジュリア
気が付くとあたし達の演奏は終わっていた...。
ジュリア
そこには歓声もブーイングもない...
ジュリア
そこには歓声もブーイングもない...沈黙だけが空気を支配している...
ジュリア
その中で一人、達成感に満ちた笑顔を見せるサイファがそこにいた。
(台詞数: 25)