ジュリア
家を出てあたしは昨日、立ち寄った場所へ再び行った。
ジュリア
その目的は言うまでもなく『あのオッサン』だった。
ジュリア
一応言っておくけど...あたしはオッサンが好きではないし、男にも興味はない。
ジュリア
いや...正確に言えば、好きになるって感覚自体がわからないんだけれど...。
ジュリア
あの人の演奏が頭から離れなくて、それで来たって感じだ...。
ジュリア
そして、今日もこの店に、『ロウ・ストリート』に入る。
ジュリア
あたしが今、見てる景色は昨日、立ち寄った時とはまるでちがっていた。
高木社長
?「やあやあ、よく来てくれた! どうだい? 親御さんとちゃんと話してきたかい?」
ジュリア
「ええ...まぁ。」
ジュリア
ここであたしは一つウソをついた。 話すもなにも、クチすらも聞いてくれない。
高木社長
?「そうかい...ならよかったんだ。」
高木社長
?「家族は...越えるべきものだけど、自分を理解してくれる大切な仲間なんだ。」
高木社長
?「若いうちは邪魔かもしれないけどね...そういう人は必ず一人は...」
高木社長
\おーい、マスター! 例のブツ届いてんぞ!/
高木社長
?「ああ、今行く! ...まぁそういうことさ。」
ジュリア
...なるほどな...一流のロッカーもファンは大切にするし、フィーリングを大切にする。
ジュリア
でも...あんたはわかっちゃいないな。 あたしの両親はあたしのことを理解する気もないんだ。
ジュリア
...あたしにはロックしかない。 それだけがあたしを理解してくれる家族なんだ。
高木社長
?「よっと...君、ちょっとこっちへ来てくれないか?」
ジュリア
「ああ...はい。」
ジュリア
あたしがその人の前に近づくとその人は、あたしに対してあることを言ってきた。
高木社長
?「さて、いきなりだがこの後に私は大切な用がある...だけどね。」
高木社長
?「ギターの子が休みでね...君の力が必要なんだ...。」
ジュリア
「...つまり、二回しか会った事のないあたしに代役を頼むってことですか?」
高木社長
?「ああ! 話が早くて助かるよ♪」
ジュリア
このオッサン...サムズアップしやがって...まさか狙ってやがったな...。
ジュリア
だけど...そんなイラついた想いとは逆にあたしはワクワクしながら答えた。
ジュリア
「いいぜ、あんたの話に乗ってやるよ!」
ジュリア
こうして...あたしの始めてのライブが、ここで始まろうとしていた。
(台詞数: 29)