ジュリア
ここは・・・どこだ?
ジュリア
...気付くとあたしは見覚えのない場所に立ち尽くしている
ジュリア
...前後になにがあったのかはよく思い出せない
ジュリア
あたしはどうしてここにいるんだ・・・?
ジュリア
...きっと答えは簡単で単純なはずだ
ジュリア
...だけど、あたしには正答を導き出す事はできなかった
ジュリア
これは・・・なんだ?
ジュリア
...手のひらの上には得体の知れない塊がゆらゆらと浮遊をして揺れている
ジュリア
...今のあたしにはそれが何かをはっきりと言い当てることはできないが・・・
ジュリア
...どうやらあたしの身体にはこれの扱い方が身に染みているようだ
ジュリア
...あたしの手は無意識のうちにその塊を胸の辺りへと運んでいって・・・
ジュリア
んっ!!
ジュリア
...身体に稲妻が落ちたかのような・・・
ジュリア
...そんな衝撃が走ると同時に、何かの映像が走馬燈の様に全身を駆け巡る・・・
ジュリア
...あたしにはその映像が"記憶"だということはすぐさまに理解することができた
ジュリア
...問題はそれが"誰のモノ"かだ
ジュリア
あたしの記憶・・・なのか?
ジュリア
違う・・・
ジュリア
これはあたしのじゃない
ジュリア
じゃあどうしてあたしは他人の記憶を見たんだ?
ジュリア
...それに・・・あの塊はなんなんだ?
ジュリア
あたしはあれを集めていたのか?
ジュリア
...そうだ・・・あたしはあれを集めていたんだ
ジュリア
でも・・・なんで集めていたんだ?
ジュリア
...あたし自身の記憶を取り戻す為なのか・・・?
ジュリア
いや・・・違う
ジュリア
...でも・・・あたしは確かにあれを集めて回収していた
ジュリア
きっとこれは仕事だ
ジュリア
じゃああたしは今働いていたのか・・・?
ジュリア
...何のために?
ジュリア
...誰の為に?
ジュリア
人の為に?
ジュリア
あたしは人を救っていたのか・・・?
ジュリア
...だったらあたしは何者なんだ・・・?
ジュリア
思い出せ・・・思い出すんだあたし・・・
ジュリア
くっ・・・
ジュリア
...ダメだ・・・どんなに足掻いても知らないやつの記憶が出てきやがる
ジュリア
...赤の他人の人生を再生してる・・・
ジュリア
...あたし自身の記憶になんかは掠ってすらいない・・・
ジュリア
...まるで絡まって壊れてしまったビデオテープだ
ジュリア
...ただ、これだけははっきりとした
ジュリア
...あたしは人の為に働いて壊れたのだ
ジュリア
...馬車馬の様に働いて、自分を犠牲に人を救って
ジュリア
...今の壊れ物(あたし)に至るんだ
ジュリア
ふざけるな・・・
ジュリア
返せよ!
ジュリア
あたしを返してくれよ!!
ジュリア
神様ってもんが本当にいるんなら、あたしにだって救いをくれよ!
ジュリア
???「・・・リア・・・さん?」
ジュリア
???「ユリアさんっ!」
(台詞数: 50)