射手の星
BGM
流星群
脚本家
mayoi
投稿日時
2015-03-25 18:48:14

脚本家コメント
あなたが見上げた夜空のお話。
前作『ピストル』
http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/500000000000023485/seq/105
Special Thanks!
取得できました!(元 雄叫び巨人、TRUST)さん
──────。
だまして悪かったな。
夢のような出来事は、夢に分類して忘れるに限る。
またいつもの朝にあんたは目覚めるだろう。
奇跡が起きた事も知らずにね。
あんたはここでの記憶を失う。
だが、もしもう一巡りしてもあんたが他人のために
祈りを捧げるなら……またきっと会えるさ。

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ジュリア
目が覚めたかい?
ジュリア
ここはthe land of perpetual night。通称──
ジュリア
常夜の国。
ジュリア
まだ寝たければ寝てるといい。ここでは時間なんて数えるバカは居ないからさ。
ジュリア
……どうやら、そうでもないようだね。
ジュリア
ならばあんたは目覚めるべくして目覚めた。歓迎するよ。
ジュリア
さっきも言ったとおり、ここはずっと夜なんだ。
ジュリア
なぜ朝が来ないのか。
ジュリア
その方が星を見やすいからさ。ここからではなく、現世から。
ジュリア
あたしも初めて来たときは困惑したよ。
ジュリア
でも知り合ったやつと話してるうちに、色々と見えてきた。
ジュリア
ここに来るのはみんな、誰かに何かを願ってほしいやつだった。
ジュリア
その辺の話は、まあ、長いから省略するとして。
ジュリア
あたしの役目は地球に星を降らせることなんだ。
ジュリア
あ、ぶつけるわけじゃないぜ。燃え尽きる程度の星をわざと落とすのさ。
ジュリア
流れ星が見えた時、あんたならどうする?
ジュリア
そう、願い事だ。
ジュリア
ただし叶えるわけじゃない。あくまで、願う機会を与えるだけ。
ジュリア
願い事をするには、まず自分の願いを知らなきゃならないだろ。
ジュリア
流れ星を見せることで自分自身を整理してもらおうって魂胆だ。
ジュリア
万が一、本当に叶ったら……それが奇跡ってやつかもな。
ジュリア
ターゲットが寝てた場合? そんなの知ったこっちゃないね。
ジュリア
これから奇跡が起きようって時に、のんびり寝てる方が悪いのさ。
ジュリア
ああ、一気に話しすぎて混乱したよな、悪い。要件に移ろう。
ジュリア
あんたは誰に、何を願ってほしい?
ジュリア
……なるほどねえ。無茶なことを考えるもんだ。
ジュリア
いいか、あんたのターゲットは他人の事しか考えられないお人好しだよ。
ジュリア
そうでなきゃあんな仕事には就かないだろ。身を粉にして他人様の世話を焼く毎日だぞ。
ジュリア
そんな奴に、あんたのことは忘れてほしい、だなんてさ。
ジュリア
あたしは伊達にここに長く居るわけじゃない。色々と見えるんだよ。
ジュリア
だからひとつ教えてやる。そいつがその願いを呟くことはない。
ジュリア
あんたが遺した銃創を抱えながら、いつまでも悔み、迷いつづける。
ジュリア
だが、それでもな──
ジュリア
そいつはまた、走り出した。
ジュリア
なあ、人は死んだら無に帰すだなんて言うやつがいるんだ。
ジュリア
あたしはそれが嫌いでさ。じゃあ、あたし達は無から生まれたのか?
ジュリア
あたし達の生は何も遺せなかったのか? 違うだろ。
ジュリア
死は終わりじゃない。人の真価は命なんかじゃない。
ジュリア
……あたしは、認めない。
ジュリア
乗れよ。あんたにも見せてやる。
ジュリア
あんたの分まで泣いて、笑って、自分の足で進むやつの姿を。
ジュリア
そしてそいつは空を見上げるだろう。流星が降る夜に。
ジュリア
だから気が済んだら、今度こそ──安らかに眠るんだよ。
ジュリア
目指すは元看護師のたたずむ河原の上空。関西弁の付き添いがひとり居るけど問題ないだろう。
ジュリア
それじゃ──しっかり捕まってろよッ!

(台詞数: 45)