
ジュリア
─今日は待ちに待ったライブの当日!

ジュリア
─なんで待ちに待ったかっつーと、アイドル対バンライブだからさ。

ジュリア
─可愛く歌って踊ってナンボ、それがアイドルと思われてるだろうが…。

ジュリア
─やっぱあたしは、バンドでガンガンやるのが性に合ってるね!

ジュリア
─レイ、ロコ、アリ、杏奈、あたしの5ピースで最高に盛り上げるぜ!

ジュリア
─お?あそこにいるのが対バン相手か。何気に会うの初めてだな…。

ジュリア
─ロコと同じショルキー。キーボード担当っぽいな。

ジュリア
おい、そこの!えーと…。

ジュリア
─high×jokerのフユミジュン。そいつはそう名乗った。

ジュリア
─なんか女々しい名前だな…いや、あたしもその…アレだけどさ…。

ジュリア
─形式的に自己紹介を終えたそいつは、仏頂面でどこともなく視線を落としている。

ジュリア
─ライブ前なのに、明らかにテンションが低い。

ジュリア
しゃきっとしな。それがこれからステージに立つ男の顔か?

ジュリア
─別に立ちたい訳じゃ、ありません。そいつは答えた。

ジュリア
─なりゆきで、自分の意思ではなくて、知人に誘われて。

ジュリア
─僕は別に、アイドルになりたいなんて、思ってませんから。

ジュリア
─あたしに目を合わせず、フユミはとつとつとぼやく。その姿はデジャブだった。

ジュリア
─あぁ。こいつ、あたしだ。手違いでアイドル始めて、腑に落ちてなかったあの頃のあたし。

ジュリア
─だから、あたしには何となく分かった。こいつは、フユミは…。

ジュリア
でもよ、何だかんだ口で言ったってさ…。

ジュリア
楽しいんだろ?『今』が。

ジュリア
…じゃなきゃ、あんたは此処にいる訳がない。自分が望んで此処に来た。違うか?

ジュリア
─フユミは眼を丸くしてあたしを見る。そしてたちまち童顔を不機嫌に染めた。

ジュリア
─初対面のあなたに何が分かるって言うんですか。出鱈目言わないで下さい。

ジュリア
─失礼します、と一応の挨拶を置いて足早にフユミは去っていった。

ジュリア
…まずったかな、対バンの野郎に変なこと吹っ掛けちまった…。

ジュリア
─しかし、あたしはほっとけなかった。あいつは…自分に嘘をついてる。

ジュリア
─楽しいって気持ちはさ、そういうもんじゃないだろ?

ジュリア
─…あたしが楽しむ以上に、今日のライブを楽しむ理由が出来たかもしれない。

ジュリア
─あいつも楽しませる。てめえのいる場所は最高のLiveだって、教えてやるよ。

ジュリア
…よっしゃ、気合い入れていくぜっ!!レイ、リハ始めるぞ!!
(台詞数: 31)