音無小鳥
「………」
音無小鳥
「………ん…うん…」
音無小鳥
どうやら寝ていたようだ。
音無小鳥
お風呂から出て、パソコンの前に座ったところまでは覚えてるのだけど…
音無小鳥
「いつの間にか布団で寝てたのね」
音無小鳥
全く覚えていない。昨日までの私はよほど疲れていたのだろう。
音無小鳥
しかし、今はそんなことなかったかのように身体が軽い。
音無小鳥
「それより今何時!?」
音無小鳥
慌てて時計を見たものの、時計の針は上下を指している。もちろん、短針が下だ。
音無小鳥
カーテンを開けてみると、外はほんのり薄暗い。
音無小鳥
「早く起き過ぎたみたいね」
音無小鳥
安心したのか、激しくなっていた動機が落ち着いてきた。
音無小鳥
私はゆっくりと台所に向かい、一通りのことを済ましたのち、コンロの火を点けた。
音無小鳥
「こんなにゆっくりできるなんて、久しぶりね♪」
音無小鳥
黄色のカップにインスタントコーヒー、沸かしたお湯、さらに二本のグラニュー糖を入れ、
音無小鳥
それを両手で持ち、息で冷ましながら机に向かう。
音無小鳥
「ずず…」
音無小鳥
この時少し違和感がしたが、それはいつもと違う目覚めだからだろう。
音無小鳥
「パソコン点けっぱなしだったのね。丁度いいからネットのニュースでも…」
音無小鳥
ふと時計に目をやると、長針が一周は回ろうしていた。
音無小鳥
「あらら、あまりゆっくりはしてられないのね」
音無小鳥
立ち上がっておもむろに電気を点けたとき、先ほどの違和感の正体にようやく気がついた。
音無小鳥
「…………」
音無小鳥
恐る恐る外に目をやると、さっきよりも外は暗く、道には街灯が点いていた。
音無小鳥
「…………」
音無小鳥
さらに確認のために携帯を開き、デジタルの時計にも目をやった。
音無小鳥
「………」
音無小鳥
「………明日、社長に何て言おうかしら……」
(台詞数: 28)