早坂そら
……。
早坂そら
……パシャ♪
高木社長
P)ああ、そらさん…今日は休みだったんだろ?
高木社長
P)今はカメラが君しかいないが、増やしたくてもいい人がねぇ…
早坂そら
…いえ。そんな抗議に来たのではないのですが…。
高木社長
P)ん?じゃあ何故こんなアラフォー男を撮りに?
早坂そら
…お話…よろしいですか?
高木社長
P)いいよ…そこに座ろうか?…ああ、君は珈琲飲むかい? そら)お構いなく…
高木社長
__P)話しとは、何かな?
早坂そら
そら)……プロデューサー。 P)ん?
早坂そら
…10年前。貴方は20代の後半だったんですね?
高木社長
P)ああ…その事か。うん、そうだよ。どうしてもやりたい仕事だと思ってね…
高木社長
P)高卒で…職に付いてからコツコツ勉強していた筈だったんだけどなぁ。
早坂そら
そら)…見えませんでしたよ。 P)ん?何がだい?…ズズ〜。
早坂そら
貴方が私に説いて下さった時…そんなに歳を重ねているようには…
高木社長
P)あっはっはっ…もうちょっと年相応の顔ならなぁ〜。 そら)そうではなく…
高木社長
P)私には歳の離れた妹がいてね… そら)そうなんですか…
高木社長
P)傍目は知らないが…実を言うと私の家族も安定していたワケではなかったから…
高木社長
P)もし、自分の妹があの時の君のようだったら…どのようにしたら考えを改めてくれるかと…
高木社長
P)私の「兄妹目線」で説いたんだよ…迷惑だったかな?
早坂そら
……そうだったんですか…ありがとうございます。
早坂そら
そら)少し安心しました。 P)安心とは?
早坂そら
あの夜、自宅に帰って…私また水を掛けられたんですよ。
早坂そら
思わず飛び出そうか思いました…けど踏み止まって、お母さんに言いたい事を心のままに投げました
早坂そら
そうしたら、お母さんも私に伝えたいことがあったらしくて…ほとんど言い合い状態に…
高木社長
P)じゃあ…
早坂そら
ええ…最後にはお互いに顔をくしゃくしゃにしながら抱き締めあってましたもの…。
高木社長
P)そうか…よかったな。上手くいっていない家庭はお互いの家族の会話が少ないことが多いから…
高木社長
P)そういう家庭は父親が子どもに「小遣い」を与えて事を収めようとする事が少なくないから…
高木社長
P)家庭を支えている筈の母親の立場がまるで怒るだけの役に囚われかねない事態になる…
高木社長
P)そんな事態を一番心配していたんだよ。
早坂そら
そうですか…口から出まかせの説得ではなかったんですね。
高木社長
P)私も複雑な人生を歩んでいるからね。私のような人生を歩んで欲しくはなかったし…
早坂そら
あの後、学校にも行くようになって…
早坂そら
お礼を言う為に貴方の就いていた学校に伺ったんですが…既に辞められたと…。
高木社長
P)…いいよその事は。済んだ話さ…
高木社長
P)私は充実しているよ?何故だと思う?
早坂そら
それは?
高木社長
P)君というカメラウーマンが所属していて…
高木社長
P)私に引き出すことの出来ないアイドル達の笑顔を引き出してる…
高木社長
P)そんな君の成長を見ることが出来たのが今の私の幸せだね。
早坂そら
あっ、その笑顔いいですね…パシャ♪
高木社長
P)うん…撮っている時の君の笑顔も素敵だ…。
早坂そら
……パシャパシャ♪
早坂そら
…プロデューサー。
高木社長
P)ん?
早坂そら
私も今後サポートして行きますので…
高木社長
P)うん…よろしくお願いします。
早坂そら
ぷっ…ホント変な人ですね。
早坂そら
私のセリフですよ…それは。
(台詞数: 50)