黒井社長
くそ…。何でいつもこうなんだ……ブツブツ……。
高木社長
……黒井、ここにいたのか。真昼間から呑んだくれて一体どうしたというのかね?
黒井社長
……高木か。今はいつも以上にお前の顔を見たくない。あっちへ行け。
高木社長
……………また、アイドルに逃げられたのか。
黒井社長
チッ、お見通しか。だが逃げられたのではない。ただ俺についてこれなかったヘタレなだけだ。
高木社長
またそうやって…。いい加減、自分のプロデュース方針を見直したらどうかね?
黒井社長
フン、団結だの仲間だの、甘ったれたことを言ってるお前に言われたくはないな。
黒井社長
……それとお前の後ろにいる如何にも体育会系な雰囲気の男は誰だ?
高木社長
ああ、紹介が遅れた。彼は315プロダクションの代表取締役を務める、齋藤孝司君だ。
黒井社長
齋藤「はじめまして!同じ社長同士、アイドルについて語っていきましょう!!!!」
黒井社長
ああ、最近出来たばかりのあの事務所か…。男性アイドルを中心に活動をしているらしいな。
黒井社長
齋藤「ええ!私自慢のパッション溢れるエネルギッシュなアイドル達です!!!!」
高木社長
彼には予定を合わせてもらって、2人でアイドルの方針について語ろうと思ったが……、
黒井社長
そこに俺がいたから俺も巻き込んで話を交えよう、と?
高木社長
ああ、そういうことだ。彼のためにもここは一つ、どうかね?
黒井社長
……フン、いいだろう。高木一人なら門前払いだが、客人もいるのなら話は別だ。
黒井社長
齋藤「ありがとうございます!では早速お二人に質問させていただきます!!」
高木社長
ああ、何でも聞いてくれ。
黒井社長
齋藤「お二人にとって、アイドルとはどうあるべきなのでしょうか!!!!」
高木社長
なるほど、良い質問だね。では私から答えよう。
高木社長
私は一人は皆の為に、またその逆も然りで、仲間と団結してこそアイドルだと思ってるよ。
黒井社長
……高木。お前はいつまで経ってもそれだから弱小プロダクションのままなのだ。
黒井社長
いいか、よく聞け若僧。アイドルとはな、唯一絶対の孤高の存在であるからこそ輝けるのだ。
黒井社長
齋藤「なるほど…。同じ社長同士でも意見が正反対になることもあるのですね!!」
高木社長
まぁ、黒井は元々こういう奴だからな、次、君の意見を聞こうか齋藤君。
黒井社長
齋藤「私は、老若男女問わず全てのファンと一体になって楽しめる存在こそであると思います!!」
黒井社長
つまり根本的な思考は高木寄り、か。つまらんな。
高木社長
いやいや素晴らしいではないか。ではこれからその方針について具体的に語っていこうじゃないか。
高木社長
〈こうして、アイドルの方針について語ること1時間……。〉
黒井社長
齋藤「では私はこれから挨拶回りに行くので失礼します!!ありがとうございました!!」
高木社長
ああ、そうだったな。呼び止めて済まなかったね。ではーーー、
黒井社長
待て。その前に一つ聞きたいことがある。
黒井社長
齋藤「はい、何でしょう!!」
黒井社長
………“Jupiter”の3人の様子はどうだ?
黒井社長
齋藤「彼等ですね!一足先にアイドルを始めた頼れる先輩として皆も尊敬していますよ!!」
黒井社長
………………そうか。
高木社長
何だ黒井。やはり彼等のことが心配だったのかね?
黒井社長
……別に。俺の元を離れるという愚かな選択をした奴らの悲惨な末路が聞きたかっただけだ。
黒井社長
961プロに残っていればもっと早くトップアイドルになれたかもしれないのに、馬鹿な奴らだ。
高木社長
そういえばお前、天ヶ瀬君の実家に直接挨拶に行っていたこともあったな。わざわざ時間を空けて。
黒井社長
……そ、それは……。
高木社長
憎まれ口を叩きながらも何だかんだでアイドルに対して熱心なんだな、お前も。
黒井社長
ぐ………、おのれ高木……。
高木社長
まあまあ、今日は一杯奢るから、もう少しサシで語っていこうじゃないか。
黒井社長
フン、誰がお前の酒なんか。……まあ、たまには奢られてやってもいいか。……マティーニ追加だ。
黒井社長
齋藤「では私はこれで失礼します!!本日はパッション溢れる御話をありがとうございました!!」
高木社長
ああ、再度呼び止めて済まなかったね。では、頑張るんだよ。
黒井社長
……結局あの齋藤という奴、水しか飲まなかったな。健康志向か?
高木社長
それもあるだろうし、営業回りの前に飲むわけにはいかなかったのだろう。
高木社長
さて、話の続きといこうか。……今日は少し長くなりそうだな。
(台詞数: 50)