高木社長
P...闘病生活が始まって、どのくらいの日付が経ったのだろう
高木社長
P...正直、そんな事はどうでもよかった・・・
高木社長
P...いや、日付感覚が無くなってしまったのだろうか
高木社長
P...そのことを担当医に相談すると、日記をつける事を勧められた
高木社長
P...何かを書き残すという事については、仕事柄だろうか、慣れていた
高木社長
P...だけど、違った
高木社長
P...きっちりと余すことなく埋められていたスケジュール帳とは違い
高木社長
P...日記帳には余白が目立った、特に書く事も思いつかなかった
高木社長
P...それでも始めのうちは、副作用に対する愚痴でも殴り書きにしてやろうと思い
高木社長
P...書いていたような気がする
高木社長
P...だけど、その愚痴を書くにつれて気付いてしまった
高木社長
P...こんなことを書いたのを読み返したところで、余計に辛くなるのではないか、と
高木社長
P...自分で自分の足を引っ張っているような気がした
高木社長
P...弱音は吐かないと決めたのに・・・
高木社長
P...こんなことを日記に吐き出していたら、皆の前でもその内吐き出してしまうだろう
高木社長
P...それに気付いた日から、俺は日記帳をつけるのをやめた
高木社長
P...相変わらず日付感覚は失われている
高木社長
P...だから、仕事の合間を縫って誰かが会いにきてくれた時は、必ず何日なのかを聞いている
高木社長
P...誰かが会いに来てくれたときは、あっという間に時が流れる
高木社長
P...副作用も然程気にならなかった、苦にもならなかった
高木社長
P...仕事の話をしたり、他愛のない世間話をしたり、相談に乗ったり
高木社長
P...その時間だけが唯一、俺がプロデューサーでいられる時間
高木社長
P...そして、まだ生きてて良かったと、実感する時間
高木社長
P...彼女達の笑顔が、生きる意味を与えてくれる
高木社長
P...また一緒に仕事ができる日を夢見て、頑張ろうと思える
高木社長
P...俺は今、絶え間無い吐き気と闘っている
高木社長
P...副作用が出始めてから、俺はまだ生きているんだって、本格的に実感するようになった
高木社長
P...生きているからこそ、こんなに苦しい痛みを伴っているんだって、思いたいだけなのかも
高木社長
P...今日だけで、既に何度戻しただろう
高木社長
P...出てくるものなど、もうないというのに・・・
高木社長
P...まるで拷問の様に常に襲ってくるそれに・・・心が挫けそうになる
高木社長
P...いっそ受け入れてしまえば楽になるんだぞと、囁かれているような気さえする
高木社長
P...自分の意思に反して身体は脆いのかもしれない、弱いのかもしれない
高木社長
P...そして、その身体の反応に段々と気持ちがつられはじめているのだろう
高木社長
P...気付けば、もう出ない何かを吐き出すと同時に、弱音すら吐き出している
高木社長
P...辛い
高木社長
P...苦しい
高木社長
P...もうやめたい
高木社長
春香「生きることって、そんな簡単に諦められること・・・ですか?」
高木社長
P...春香の言葉が、脳裏に蘇る
高木社長
P「ああ・・・生きることって・・・すげえ辛いよ・・・」
高木社長
P...今更その問いに答えを出すように、俺はポツリとそう呟いていた
高木社長
P...少しでも吐き気を紛らわそうと、備え付けられたテレビを付ける
高木社長
P...そこには、みんなが"約束"を歌っている姿が映し出されていた
高木社長
P「生に縋るって決めたのに、気持ちで負けてちゃ、ダメだよな」
高木社長
P...みんなは俺にとっての光だ
高木社長
P...この絶望の淵を照らしてくれる、眩しい光
高木社長
P...いつか必ず、輝いたステージに、俺がみんなを連れて行くんだ
高木社長
~生きるって決めたから~
高木社長
~約束~
(台詞数: 50)