ちょっとの背伸びと、おっきなかいごう。
BGM
グッデイ・サンシャイン!
脚本家
sikimi
投稿日時
2017-12-18 00:03:04

脚本家コメント
思い付きだけで書いちゃうとコマ数の足りない事足りない事…。

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中谷育
「…………」
中谷育
「どうしよう。迷子になっちゃった……」
中谷育
たくさんの人が行きかう道のはしっこで、わたしはぼんやりとたそがれていた。
中谷育
「誕生日をすぎて、少しおとなになったから大丈夫だと思ったんだけどなぁ…」
中谷育
「誰かに迎えに来てもらわないと…でも、ちょっと恥ずかしいし…」
中谷育
それ以上に、迷惑をかけるのはなんかいやだ。
中谷育
ぽつりと弱音をこぼして、わたしはちいさく溜息をついた。
中谷育
そもそも、なんでわたしが迷子になっているかというと……。
中谷育
このまえ、別のプロダクションのアイドルの子が持っていたキーホルダーを探しに来ていたから。
中谷育
その子に、どこに売ってたのか訊くとお店を教えてくれたから早速今日行ってみることにした。
中谷育
わたしと、桃子ちゃんと、環ちゃん。三人でおそろいになるように買っちゃおうなんて思いついて。
中谷育
二人はどんな顔をするのかな、なんてワクワクしながら電車に乗って。
中谷育
二人は喜んでくれるのかななんて、ドキドキしながらお店を探して。
中谷育
……気が付いたら、わたしはどこにいるのかわからなくなってた。
中谷育
辺りを見渡しても、知らない人と知らない建物と知らない看板ばかり。
中谷育
…そういえば、スマホのアプリを使って、今わたしがどこにいるのか調べられたっけ。
中谷育
そうすれば、誰かに連絡しなくても分かるよね。
中谷育
「こんな簡単なことに気づかないなんて、わたしってまだまだ子供なのかな?」
中谷育
なんて思ったけど、そんなことはどうでもいい。とりあえず、今わたしはどこにいるんだろう。
中谷育
地図のアプリを起動しようとして、その代わりに画面に現れたのは【電池切れ】のアイコンだった。
中谷育
「……ふえぇ」
中谷育
――――――――――。
中谷育
あらためて周りを見渡してみても、そこにいるのは忙しそうに歩く大人の人ばかり。
中谷育
忙しそうな人に道を訊くのはちょっと気がひけるし、それ以上に知らない人に訊くのは抵抗がある。
中谷育
どうすればいいんだろう。ついさっきぶりの溜息がでる。
中谷育
自分のふがいなさに、視界がうるんで涙がこぼれちゃいそうになった。そんなときに…。
中谷育
「ねえ、そこのきみ。そんな悲しそうな顔してどうしたの?」
中谷育
「何かトラブルですか?よかったら私たちに話してみるといいであります!」
中谷育
とつぜん、知らないお姉さん二人に声をかけられた。ビックリして、上ずった声が出ちゃう。
中谷育
真さんよりもちょっと長い髪の人と、めーさい柄のシュシュで髪をまとめた、背の高い人。
中谷育
二人とも、私は知らない人。でも、とてもいいひと。なんとなく、そんな気がした。
中谷育
わたしが何も言えないでいると、髪の短い方…くまさんの描かれた服を着た人が少し慌てた様子で。
中谷育
「あ、えっと!わたしたちは別に怪しい人じゃなくって…えっと、その…!?」
中谷育
「落ち着いてください、美穂殿!今の美穂殿は下手な不審者よりも不審者でありますよ!?」
中谷育
「不審者!?どうしよう、亜季さん!わたしたちこの子怖がらせたりしてないよね!?」
中谷育
なんだかあわあわしてる、美穂殿と呼ばれた人と、なだめる亜季さんと呼ばれた人。
中谷育
二人のやり取りを見て、なんだかちょっとだけ笑っちゃった。
中谷育
「え!?なんで笑うの!?わたし、何か変な事しちゃったのかな…!?」
中谷育
「あ、ご、ごめんなさい!ふたりのやり取りを見てると面白くて…」
中谷育
「ふふっ。この子に笑顔が戻ったなら、美穂殿が慌てた意味があったということですな」
中谷育
「もうっ、亜季さんっ!!」
中谷育
ぷんぷんと怒り出す美穂殿さんと笑顔の亜季さんにつられて、わたしももっと笑顔になっちゃう。
中谷育
「こほん…それで、きみはどうして落ち込んでいたのかな?わたしたちでよかったら力になるよ?」
中谷育
小さくせきをして話を仕切り直す美穂殿さん。二人をすっかり信じたわたしはこれまでを話した。
中谷育
「実は、この近くにあるお店を探してたんですけど、迷子になっちゃって…」
中谷育
電池切れのアイコンが浮かぶスマホを見せながら説明する。二人は顔を見合わせた後。
中谷育
「そのお店だったら、わたし知ってるかも。お店、一緒に探そっか。いいですよね、亜季さん?」
中谷育
美穂殿さんの提案に、笑顔で頷く亜季さん。申し訳なくて、断ろうとすると。
中谷育
「私たちがやりたいからやるだけですから、気にする必要はないですよ。さあ、行くであります!」
中谷育
亜季さん手が差し伸べられる。この二人と一緒にいたくなって、わたしは、その手を取った。

(台詞数: 50)