水瀬伊織
もうすぐクリスマスね。
北沢志保
そうですね。
水瀬伊織
あんた、予定とかないの?
北沢志保
ありません。
水瀬伊織
気を遣わなくていいのよ。まるで天使のような伊織店長は、特別な日に出勤を強要させないわ。
北沢志保
問題ありません。弟もクリスマスパーティーだとかでお泊まりらしいですし。
水瀬伊織
彼氏とかいないの?
北沢志保
いません。
水瀬伊織
友達と──
北沢志保
ありません。
水瀬伊織
……そう。
水瀬伊織
なんだか虚しい十代ね。
北沢志保
なっ……!
北沢志保
店長こそどうなんですかっ。その、彼氏……とか。
水瀬伊織
聞きたいの?
北沢志保
え? ええ、まあ。
水瀬伊織
にひひ、秘密。
北沢志保
……。
水瀬伊織
はい、そこのメイド。刺すような視線を向けるのやめなさい。
北沢志保
誰のせいだと思って……。
水瀬伊織
ないわよ。
北沢志保
え?
水瀬伊織
予定、ないわ。お仲間ね。
北沢志保
そ、そうですか。
水瀬伊織
安心した?
北沢志保
……別に、そんなことないです。
水瀬伊織
まったく……素直じゃないわね。
水瀬伊織
そこ直したら、もっとモテると思うわよ。
北沢志保
余計なお世話ですっ。
北沢志保
大体、それは店長も同じじゃないですか。
水瀬伊織
私?
北沢志保
ええ、性格はともかく、容姿は整っているんですから。
水瀬伊織
あんたは……一言余計なのよ。
北沢志保
嘘はつけない性分でして。
水瀬伊織
はぁ……。まあ、いいわ。
水瀬伊織
ところで、実際どうなの?
北沢志保
何がです?
水瀬伊織
彼氏よ。作らないの?
北沢志保
興味ありませんから。
水瀬伊織
はぁ……。この調子だと、志保の楽しいクリスマス話は当分期待できなさそうね。
水瀬伊織
恥じらいを見せながら、休暇貰いに来るのを楽しみに待ってたのに。
北沢志保
私ではなく、自分の心配をしたらどうです?
水瀬伊織
そうね、私も苦労しそう。私に釣り合う男が中々いないんですもの。
北沢志保
結局、お互い様ですか。
水瀬伊織
そうね……って、なんで嬉しそうなのよ。
北沢志保
聞きたいですか?
水瀬伊織
ふん、別に。
北沢志保
秘密です。
水瀬伊織
別に、って言ったでしょ!
(台詞数: 49)