北沢志保
こんな寒い日には、目を瞑って思い出す。
北沢志保
暗闇に寄り添うと蘇る、遠い日の記憶。
北沢志保
今でも、まるで昨日のように鮮明に。
北沢志保
私の心に深く根付いているみたいです。
北沢志保
ねえ、どこにいるのかな?
北沢志保
ここにいるよ、いつだって。
北沢志保
不安がり、いまにも泣き出しそうな私の小さな手を握る、大きな手。
北沢志保
それは、とても温かくて。
北沢志保
私は安心できました。
北沢志保
ねえ、どこにいってしまったんですか?
北沢志保
ここにいるよ、いつでもだ。
北沢志保
嘘つき。
北沢志保
キライ。
北沢志保
もう知らない。
北沢志保
届かないそんな言葉は。
北沢志保
白い吐息みたいに消えていく。
北沢志保
あの…教えてください。
北沢志保
あの時、私がどうすればよかったのか。
北沢志保
小さくなっていく背中を、私は見ていることしかできなかった。
北沢志保
だって、あの大きな身体を抱き寄せるには私はまだ小さすぎたから。
北沢志保
一息吐いて、目を開けば、そこはもう現実。
北沢志保
目映い光、太陽の陽射し。
北沢志保
私の世界を鮮やかに染め上げる。
北沢志保
あなたもどこかで見てくれているのでしょうか?
北沢志保
そうだとしたら、迎えに行きます。
北沢志保
たとえ、その手が皺だらけになっていたとしても…
北沢志保
たとえ、その背中が小さくなっていたとしても。
北沢志保
私にはわかりますから。
北沢志保
あの感触だけは、温もりだけは忘れていないから。
北沢志保
必ず見つけますから。
北沢志保
約束。
北沢志保
私は太陽に手をかざして、お父さんと呟いた。
(台詞数: 32)