矢吹可奈
凄い…街の中に神殿とか遺跡がある…
如月千早
なんでも、キャスパリグは廃墟となった古代都市を再利用している国らしいわ
如月千早
長い渓谷の中の至る所に点在していた遺跡を利用しているから…
如月千早
この渓谷全体が1つの街というわけね
如月千早
《カナは私の説明を聞きながら、珍しそうにあちこち見回している》
矢吹可奈
…とと、観光に来たわけじゃないもんね!炎の巫女様を探さなきゃ!
如月千早
《しかし、すぐにハッとして自分の頬をパシパシ叩いて顔を引き締め、私に視線を向ける》
如月千早
探すと言えば…たしかメディカルベルをくれたワーキャットもキャスパリグにいるはずよね?
矢吹可奈
そうだったね!…よし、チハヤちゃん!手分けして街の人にその2つについて聞いてみよ!
如月千早
そうね。細長い1本道だし、迷う事は無いでしょうし…それじゃあ私は向こうを
矢吹可奈
私は向こうで聞いて来るね!また後で~!
如月千早
《走り去るカナを見届け、私も歩き出す。一刻も早く炎の巫女様に会わなくては…》
矢吹可奈
うーん…なかなか炎の巫女様の居所まで知ってる人いないなぁ………って、キャッ!?
菊地真
…!?
矢吹可奈
あっ…ご、ごめんなさい…ちょっと考え事ひてたらぶつかっちゃって…
菊地真
……………お前は…まさか…
矢吹可奈
…?あの…
菊地真
ああ、いや…こちらこそ失礼…怪我は…無さそうだね、良かった良かった
菊地真
…ところでキミは?この辺りの者ではないよね?
矢吹可奈
はい、私はカナって言います!南のべリア王国にある村から来ました!
菊地真
ほう………ああ、ボクも名乗らなきゃね。ボクの名はマコトと言う…よろしく
如月千早
(ええっと、カナはどこまで行ってるのかしら…)
如月千早
《武具屋の店員に炎の巫女様と、メディカルベルについて聞いてみたところ》
如月千早
《北へ向かった所にある王城へ行けばわかると言われた》
如月千早
《聞けば、狭い谷間に城を造るため、渓谷の壁を掘り、めり込むように造った特徴的な城らしい》
如月千早
《この情報をカナにも教えるため、私は来た道を戻っていた。すると》
如月千早
あっ、カナ………っ!?
如月千早
《カナは、見知らぬ…少女だろうか?とにかく、見知らぬ人物と話をしていた》
如月千早
カナっ!!
矢吹可奈
あ、チハヤちゃん、この人が…
如月千早
…私の同行者がお世話になりました。失礼します!
如月千早
《私はカナの手を掴むと、足早にその場を立ち去る》
矢吹可奈
え?あ、あのチハヤちゃん!?あ、マ、マコトさんさよなら~!
矢吹可奈
…もう、チハヤちゃん…どうしたの?チハヤちゃんらしくないよ?
如月千早
……………
矢吹可奈
…チハヤちゃん?どうしたの?もしかして…体調悪い?
如月千早
…いえ、大丈夫…大丈夫だから…
矢吹可奈
だって…チハヤちゃん、凄く顔色悪いし…手も震えてるよ?
如月千早
…大丈夫よ
如月千早
《なんだろう、さっきの人物は。全身から溢れ出る闇の魔力》
如月千早
《いや、あれは身体から出ているというよりは、周囲の魔力を強制的に闇の魔力に変えていた…》
如月千早
《私は、全身が凍てつかんばかりの恐怖という物を、生まれて初めて経験していた》
菊地真
(…さっきの娘にぶつかった時の、あの感覚…)
菊地真
(まるで周囲に結界を張っているような特異な魔力の流れ…やはりあれは…)
菊地真
(…ふふ…ククク…まだ確証は無いが…まだこんなチャンスが残っているとはね…)
菊地真
(…歌守の民…もし、そうだとしたら…クク…クハハハハ…!なんて幸運だ…!)
菊地真
(べリア王国の村…だったか…ふふ…調べてみる価値はあるか…!)
(台詞数: 47)