矢吹可奈
じゃあ、私達は北へ向かって、キャスパリグからルオヤンに行くんだね
如月千早
ええ。南のアインセルとジパングは、かなり長距離になるからってナオさんが…
矢吹可奈
《私が身体を起こせるようになると、ちょうどチハヤちゃんとナオさん達の間で話が纏まっていた》
矢吹可奈
《結果、私達とナオさんの二手に分かれて、南北の巫女さんを訪ねる事になった》
矢吹可奈
《ただ、北ルートはかなりあの山…オーディーンマウンテンの近くを進む事になる》
矢吹可奈
《つまり、目的地がすぐ近くにあるのに、別の場所に向かわないといけないという事…》
矢吹可奈
…あの…チハヤちゃん…
如月千早
ごめん…なんて言わないでね、カナ?
矢吹可奈
え?
如月千早
2人で話し合って決めた事でしょ?ナオさんを…シルヴァーナを救える手助けが出来るならやろう…
如月千早
確かにあの山にはすぐにでも向かいたいけど…今回の件…放っておいたら取り返しの付かない事…
如月千早
それこそ、世界そのものに関わる大事件になる…そんな嫌な予感がするの
矢吹可奈
《チハヤちゃんは、思い詰めた表情をした後、顔を上げてまっすぐに私を見つめた》
如月千早
それに、そんな心の不安があったら、山に登っても気持ちよく歌えないでしょ?
如月千早
だから…今回の事件で私達が出来る事…それを全部終えたら、2人で一緒に…ね?
矢吹可奈
…うん!一緒に歌お!
矢吹可奈
《そうだ。シルヴァーナを救うためにも…チハヤちゃんが気兼ねなく歌えるようにするためにも…》
矢吹可奈
《まずはキャスパリグにいる炎の巫女さんに会わないと…!》
如月千早
さて、地図によると………キャスパリグはこの先の森を抜けた渓谷の中にあるようね…
矢吹可奈
渓谷の中かぁ…という事は崖を降りたりする事もあるんだね…
矢吹可奈
《正直に言うと、私は運動神経には自信が無い》
矢吹可奈
《身体強化魔法で速く走る事は出来るけど、運動神経の鈍い私には、そのスピードが制御出来ない》
矢吹可奈
…というか、崖を降りるのに速さなんて関係無いよね…はあ…。その前に森もあるし…
矢吹可奈
《そんな愚痴をこぼす私と、それをクスクスと笑うチハヤちゃんが歩き出そうとした時》
矢吹可奈
《背後から大きな羽音が聞こえ、翼を広げた鳥のようなシルエットが私達の前に映し出された》
北上麗花
あれぇ?カナちゃん、チハヤちゃん、こんな所でどうしたの?
如月千早
!?レ、レイカさん…!?
矢吹可奈
レイカさん!………え?チハヤちゃんも知り合いなの?
如月千早
え?カナも?レイカさんは母様の知り合いで、よく世間話をしに来ていたのだけど…
矢吹可奈
う、うん…たまに村に遊びに来て、私達教会の子とも遊んでくれてたんだけど…
矢吹可奈
レイカさん、最近はあんまり来なくなっちゃってて…
北上麗花
ごめんねカナちゃん…最近ちょっと用事があって大陸中を飛び回ってて…
北上麗花
ところでチハヤちゃん…マーメイドから人間に進化してるね。スラッとした脚も似合ってるよ♪
北上麗花
…あれ?でも泳ぐのは苦手になってるぽいから退化?うーん、でも活動範囲は広がってるし…
如月千早
あの…ちょっとした事情で一時的にこうなってるだけですから…
北上麗花
なあんだ、そうなんだビックリした♪…ところで、なんで2人はここに?
矢吹可奈
ええっとですね…
矢吹可奈
《とりあえず、話せる事はかいつまんで話してみる…》
北上麗花
……………なるほどね～
北上麗花
(そっか…カナちゃんとチハヤちゃんも関わっちゃった…か…)
如月千早
レイカさん?
北上麗花
(本当は私達大人だけで解決するのが一番良かったんだけど…仕方ないのかな…)
矢吹可奈
レイカさーん?
北上麗花
えっ?あ、ごめんね…ちょっと考え事してたの…。それで、2人はキャスパリグに?
如月千早
はい。厳しい道程だとは思いますが、私達は私達に出来る事をしようと思います
北上麗花
そっか…じゃあ、ここでお姉ちゃんからのプレゼント…特別ショートカットターイム♪
矢吹可奈
え?
矢吹可奈
《レイカさんはそう言うと、その場で羽ばたいて浮かび上がり…》
如月千早
え!?ちょ…レイカさん何を…キャアァァーーーーーッッッ!?
矢吹可奈
《鋭い爪を備えた足で私達をガッチリ鷲掴みにして、一気に急上昇を始めた!!!》
(台詞数: 50)