周防桃子
どうしよう………。
周防桃子
ーーー桃子は今、重大な決断を迫られている
周防桃子
ーーー1人を選び、もう1人を切り捨てる決断
周防桃子
ーーーそれがどうしても選べない
周防桃子
ーーーどちらも同じくらい大事な存在だから
周防桃子
ーーー仮に選んだとしても、選ばれなかった方はどうなる?
周防桃子
ーーーきっとひどく傷つくだろう
周防桃子
ーーーどうしてこんなことになってしまったのだろう
周防桃子
"決まってるじゃん。あなたが弱くなったからだよ。"
周防桃子
ーーー心の中で誰が言う
周防桃子
ーーー桃子自身だ。誰にも心を開かず、己の力だけで生きていこうとした、過去の自分
周防桃子
"一度捨てたものを取り戻そうなんて考えたからこうなったんだよ。"
周防桃子
"今まで散々思い知らされたんじゃないの?だから一度捨てた。"
周防桃子
"裏切られたくないから。裏切りたくないから。"
周防桃子
"そしてまた繰り返し。学習能力ってないの?"
周防桃子
ーーー同じ存在のくせによく言う
周防桃子
"桃子はあなたとは違う。一度捨てたものをわざわざ拾ったあなたとは。"
周防桃子
もう黙って。1人で考えるから。
周防桃子
ーーーもともと1人だけど
周防桃子
答えは絶対あるもん。桃子はそれを見つける。
周防桃子
"そんなことできるの?かつて答えを出せなかったあなたに?"
周防桃子
昔より桃子は賢くなったもん。それくらい簡単だよ。
周防桃子
"ふーん、じゃあ頑張って。"
周防桃子
………とは言ったものの、本当にどうしよう。
周防桃子
ーーー携帯電話を取り出す
周防桃子
ーーーそして悩みの根源である2件のメールを見る
天海春香
「桃子ちゃん!この前、お菓子の作り方を教えて欲しいって言ってたよね?」
天海春香
「来週の日曜日なら大丈夫そうなんだけど………どうかな?」
萩原雪歩
「桃子ちゃん。私の家の近くに新しいケーキ屋さんが出来たんだけど、一緒にどうかな?」
萩原雪歩
「来週の日曜日辺りに。」
周防桃子
うわぁぁぁぁぁ!
周防桃子
何で!?何でこうなるの!?
周防桃子
何でこんなところでダブルブッキングするのー!?
周防桃子
あ、そうだ。両方とも断れば平和的に………
周防桃子
やだ!それくらいならどっちかに行きたい!
周防桃子
でもそうなったらどっちかを断らなきゃ………
萩原雪歩
そ、そうだよね。春香お姉ちゃんって呼ぶくらいなんだから私より………(※イメージ)
天海春香
雪歩との付き合いの方が長いもんね。そうだよね………(※イメージ)
周防桃子
無理!絶対むーりー!!
周防桃子
ーーー1時間後
周防桃子
あー、桃子の体2つに増えないかなー。
周防桃子
ーーー………現実逃避をしながら、時間は過ぎていくのだった
(台詞数: 42)