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脚本家
不明
投稿日時
2017-12-27 00:05:08

脚本家コメント
たまにはそらさんで。
こういうのなら短時間で書けるんですが……。
俗人鬼をお待ちの奇特な皆様。
年内完結は不可能となりました。
多忙に多忙を重ね、休日も呼び出され、
とてもドラマを書く状況にありません。
申し訳ありません。

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早坂そら
小さい頃から写真が好きだった。
早坂そら
父の構えるカメラに向かってポーズを決める、ちょっとおしゃまな女の子。
早坂そら
それが私。
早坂そら
どうすればより可愛く写るのか。
早坂そら
子供ながらに研究を重ねて。
早坂そら
小学校に上がる頃には、お気に入りの角度ができていたほどだ。
早坂そら
そんな私がカメラ自体に興味を持つのは至極当然といえた。
早坂そら
シャッターを切ったときのカシャリという音や、ピントの合わせ方。
早坂そら
興味の種は尽きなかった。
早坂そら
やがて私は興味のあまり父のカメラをバラしてしまった。
早坂そら
そのせいで父を泣かせてしまったが、
早坂そら
理由を話すと父は書棚からカメラ関係の本と、使っていないカメラを私にくれた。
早坂そら
そして私にカメラの使い方をレクチャーしてくれた。
早坂そら
頭上の余白は敵だ、ピーカン不許可等、今思えば教え方にはかなり偏りがあったが、
早坂そら
私は楽しく写真を撮ることを覚えていった。
早坂そら
好きが高じてか、腕前はみるみるうちに上達し、やがてコンクール等で賞を貰うようになった。
早坂そら
職業としてのカメラを意識したのはこの頃だ。
早坂そら
元々の素養があったらしく、私は高校卒業後すぐにとあるプロカメラマンの助手になった。
早坂そら
あまり言いたくはないが、その人は腕前はあれど人格に問題があった。
早坂そら
私は暇を作っては写真を撮り続けた。
早坂そら
しかしこれがあの人には気に入らなかったらしい。
早坂そら
やれ被写体が見えていないだのなんだのとさんざんケチをつけられたものだ。
早坂そら
技術的な問題であれば私はこれにすぐ対応した。
早坂そら
ところがそうするとなぜかさらに不機嫌になる。
早坂そら
やがてあの人は人格を攻撃するようになった。
早坂そら
初めのうちは対抗心を燃やしもしたが、それが虚しさに変わるのにそう時間はかからなかった。
早坂そら
事情を知らない人が見れば、そんなところは辞めてしまえと気軽に言うだろう。
早坂そら
だが、こういう世界でネームバリューというものは大いに影響する。
早坂そら
売れるまでの辛抱と、私は我慢に我慢を重ねた。
早坂そら
しかしついに私はあの人の元を去った。
早坂そら
お前程度の奴がやっていけるような甘い世界じゃないんだよ。
早坂そら
それが、あの人が私にくれた最後の言葉。
早坂そら
私はフリーランスとなり、細々と仕事を続けていた。
早坂そら
しかし、どこの現場でもクライアントを満足させることはできなかった。
早坂そら
彼らは異口同音に言うのだ。
早坂そら
君の写真には情熱が見えない。
早坂そら
わかっていた。
早坂そら
どんなに努力を続けてもどうせ認められない。
早坂そら
いつからか私はそんな諦感を抱き、努力や情熱にリミッターをかけるようになっていたから。
早坂そら
ある日、私に声をかけた男性がいた。
早坂そら
名刺には芸能事務所の社長とある。
早坂そら
グラビアでも撮るのかと思いきや、彼の言うことに私は耳を疑った。
早坂そら
カメラマンではなく、アイドルとして声をかけたというのだ。
早坂そら
そして彼は事務所のアイドルが出演するライヴの招待状をくれた。
早坂そら
このままアイドルをやるのもいいかもしれない。
早坂そら
私はそんな気持ちで劇場へと足を運んだ。
早坂そら
そこで私が見たのは、ステージに立つ13人のアイドルと、一体化した観客。
早坂そら
私は知らずカメラを持たない手でカメラを構えていた。
早坂そら
燻っていた何かにちろりと火が灯った。
早坂そら
右手の人差し指が止まることなくシャッターを切り続けていた。

(台詞数: 50)