田中琴葉
…………。
田中琴葉
……ん、んぅ……?
箱崎星梨花
目が覚めたんですね、琴葉さま!よかった…。
田中琴葉
せり、か…?
箱崎星梨花
はい!星梨花です!!
永吉昴
お、やっと目を覚ましたんだな、総帥サマ。
田中琴葉
昴まで…。ここは何処なの。地獄にしては随分平穏な感じだけど。
永吉昴
勝手にオレたちを巻き添えに死ぬんじゃねぇよ。確かに天国に行けるようなことしてないけどな。
箱崎星梨花
琴葉さまが地獄に落ちるなんてありえません!
永吉昴
あー、はいはい。話がこじれるから星梨花は黙ってようなー。
田中琴葉
昴、今どうなってるのか説明してもらえるかしら。
田中琴葉
私は、自分は基地の崩落といっしょに死んだものと思ってたのだけど…。
永吉昴
こっちの事情も、まあ死にかけてた程度しか言えることないから省くけどよ。
永吉昴
基地がぶっ壊れ始めたからこりゃヤベェってことで逃げようとしてたんだ。そうしたら星梨花がな。
箱崎星梨花
『待ってください!まだ琴葉さまが負けたと決まったわけじゃありません!!』
永吉昴
なんて言いだしてな。オレが止める間もなく奥の部屋まで走り出したんだよ。
永吉昴
で、部屋についたらなんかもうすべてをあきらめたような顔してる総帥サマがいた訳だ。
永吉昴
傍には心配そうにみてるポケモンもいたしよ。とりあえず、外まで連れだしたんだ。
田中琴葉
ユキメノコ…。そう、みんな心配してたんだ。
田中琴葉
私、人に心配されるようなできた人間じゃないんだけどなぁ…。
箱崎星梨花
琴葉さま…。
永吉昴
そういえば総帥サマよ。総帥サマはどうしてロケット団を結成したんだ?
箱崎星梨花
そういえばわたしも知らないです。琴葉さま、教えてもらったりは出来ますか…?
田中琴葉
…そうね。ロケット団はもう消滅しちゃったけど…だからこそ、今なら言えるかしら。
田中琴葉
二人は、今のロケット団の前にもロケット団があったって事知ってる?
永吉昴
あったらしいな。詳しくはよく分からないけど。
田中琴葉
その時の総帥…前総帥って言うのかしら。その人は私のお父さんなの。
箱崎星梨花
え…!?そうだったんですか…?
田中琴葉
ロケット団が無くなったときに失踪して、そのまま行方知れずなんだけどね。
永吉昴
…それで、父親の後を継ぐためにロケット団を復活させたって事か?
田中琴葉
後継ぎ?そんな高尚な目的じゃないわよ。
田中琴葉
私はただ、お父さんに気づいてほしかっただけ。きっと、あの人はまだどこかで生きてるから。
田中琴葉
お父さんに戻ってきてもらうために、ああやってロケット団を結成したの。
田中琴葉
…まあ、その目的ももう果たせなくなっちゃったんだけど。
田中琴葉
ここに居る二人だけじゃなくって、信じてついてきてくれたみんなには申し訳ない話よね…。
箱崎星梨花
……。
永吉昴
なあ、これからどうするつもりなんだ?
田中琴葉
どうするって…何を?
永吉昴
何って、全部だよ。今まで積み上げてきたロケット団は瓦礫の山だぜ?
永吉昴
再興できなくはないだろうけど、目立つことしたらロケット団つぶした奴らに何されるか…。
田中琴葉
あ……。私、今本当に何もないんだ。未熟なのに背伸びして、ロケット団の事だけ考えてたから…。
箱崎星梨花
それじゃあ…何かを見つけに出かけてみませんか?
田中琴葉
星梨花…?
永吉昴
そうだな。うじうじしてる暇があったらどこかに行ってみようぜ。
永吉昴
案外、ふらりと出かけた先で父親を見つけられるかもしれないしな。
箱崎星梨花
だったらアローラ地方に行ってみませんか?向こうに、お肉屋さんを営んでる親戚がいるんです!
永吉昴
お、常夏の島アローラか!オレ一度行ってみたかったんだよなー。いいだろ、総帥サマ?
田中琴葉
人の意見を聞く前にどんどん話が進んでるんだけど。まあ、その辺は詳しくないから任せるわ。
田中琴葉
でも…そうね。全てを投げ出すみたいで嫌だけど、ここで動かないでいるのも嫌だもの。
田中琴葉
それと、私はもう総帥じゃないわ。だから、琴葉って呼ぶこと。良いわね?
(台詞数: 50)