如月千早
《ジュリアさんが苦い思い出があると言う、水に関係する昔の友人…》
如月千早
《そして、ジュリアさんが得意とする属性は…炎…。もしかしたらその人物とは…》
ジュリア
…どうした?あたしなんか変な事言ったか?
矢吹可奈
あの…間違ってたらごめんなさい………そのお友達って…
如月千早
…ウミ…と言うお名前ではありませんか?
ジュリア
っ!?
如月千早
《ウミさんの名前を聞いた瞬間、明らかにジュリアさんに動揺が走った》
ジュリア
…なんで知ってる?どこかでアイツに会ったのか?
矢吹可奈
………水の巫女様…それが他でもない…ウミさんなんです
ジュリア
……………そう、か…
ジュリア
あいつも巫女になってたか…はは…昔から才能もあったし、努力家だったからな
ジュリア
…それでその…あいつはあたしについて…何か言ってたか?
如月千早
それは…
如月千早
《ウミさんはジュリアさんと仲直りしたがっている…そう言おうとした時…》
矢吹可奈
…いえ、少し昔話を聞いただけです
如月千早
…!?カナ…?
如月千早
《その先の言葉を封じるように、カナがそう話す》
ジュリア
そうか…やっぱり、まだあたしが怖いんだろうな…無理も無いさ…
ジュリア
…あいつが魔獣に襲われてるのを見て、頭に血が上って…
ジュリア
気付けば辺りは火の海…魔獣は消し炭になって、周りの草むらはまだ燃え続けてた
ジュリア
そして、その炎の真ん中であいつは震えながらあたしを見てたよ…化け物でも見るように
如月千早
《ジュリアさんは、顔を伏せてぽつりぽつりと語り、その声には震えが加わりつつあった》
ジュリア
…逃げちまったウミの様子を見ようと、次の日にあいつの家に行ったらさ…引っ越し済みだったよ
ジュリア
その日の内に夜逃げ同然で引っ越しちまったのを知って、あいつはあたしを恐れてる…
ジュリア
…そう思ったよ
如月千早
《違う…ウミさんは、逃げてしまった事を謝ろうとしていた…》
如月千早
《しかし、ご両親が魔獣が出る事に危機感を抱いて、急な引っ越しをしてしまったのだ…》
矢吹可奈
…ウミさんがそう言ったんですか?
ジュリア
え?い、いや…でも、どう考えてもそうとしか…
矢吹可奈
…ジュリアさん。言葉って…大事だと思います
矢吹可奈
自分の中だけで決め付けないで、もう一度…もう一度と…何度でも話してみてください
矢吹可奈
…話が…出来る内に…。言葉って、そのためにあるんだって、私思います
矢吹可奈
どうしてだろう?なんでかな?って、自分だけだと答えなんか出ないから…
ジュリア
……………
如月千早
《悲しげに語るカナの言葉に、眉間に皺を寄せていたジュリアさんだったが…》
ジュリア
………へっ、知ったふうな口利きやがって。…でも…そうかもな…
ジュリア
あいつがあたしを恐れてるか…なんで逃げたか…なんで引っ越したか…
ジュリア
考えてみりゃ、答えは全部あたしがそうだろうなって推測しただけ…お前の言う通りだ
ジュリア
…話してみる。せっかくこうして再会出来る機会が巡って来たんだからな
ジュリア
そして…謝る。怖がらせて悪かった…てな
如月千早
《そう話すジュリアさんの表情は、憑き物が落ちたように清々しい》
矢吹可奈
…はい!きっと良い結果になります!
ジュリア
…ありがとな、カナ、チハヤ。早速行ってみるよ。2人は次は北に行くんだよな?
ジュリア
なら、谷間の北側から出たら、その先の平原を通ると良い。途中に町があるからな
ジュリア
そんじゃあな!
如月千早
《私達と一緒に家を出たジュリアさんは、鍵を締めてすぐさま走り去って行ってしまった》
如月千早
…カナの事だから、ウミさんも仲直りしたがっているって、すぐに教えるかと思ったわ
矢吹可奈
…さっきジュリアさんにも言ったけど、言葉って大事だと思うの
矢吹可奈
ウミさんとジュリアさんは、まだまだいっぱい話せるチャンスがあるんだもん
矢吹可奈
(…顔も名前も…生きてるのかすらわからない人とは…話せないもんね…)
(台詞数: 50)