約束のファンタジア 第32話
BGM
待ちぼうけのLacrima
脚本家
不明
投稿日時
2018-01-14 10:23:49

脚本家コメント
『決意と敵意』

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矢吹可奈
…シホちゃん…
ジュリア
…そうか…さっきの奴はカナの親友、か…
如月千早
はい…でも、恐らくはカナにとってはそれ以上の存在です…
如月千早
《地面に降り立ったジュリアさんと、もう1人の女の子…風の巫女、イクに状況を説明する》
如月千早
《その間も、目の前で起きた事が信じられないかのように、カナは座り込んでいた》
ジュリア
…カナ…
矢吹可奈
なんで…シホちゃん…どうして…
ジュリア
………
矢吹可奈
うう……シホちゃん…なんでなの…!
ジュリア
…カナ!顔上げろ!
矢吹可奈
え?
如月千早
ジュ、ジュリアさん!?
如月千早
《突然、ジュリアさんがカナの胸ぐらを掴んで立ち上がらせる》
ジュリア
いつまで座り込んでるつもりだ!
如月千早
ジュリアさん、今、カナは…!
ジュリア
「なんで」「どうして」…そうやって自問自答して何になる!何が好転する!
矢吹可奈
………でも…だって…
ジュリア
…大事なのは自分だけで考える事じゃねえ…相手と言葉を交わす事だ!
ジュリア
あたしにそう教えてくれたのは…お前だろうが!
矢吹可奈
あ………
如月千早
《ジュリアさんは、一転して優しい表情になると、カナから手を放す》
ジュリア
疑問てのは、自分に向けるもんじゃない…相手にぶつけるもんだろ
ジュリア
だから、次にそいつに会った時に、思いの丈をぶつけてやれ!!
矢吹可奈
…ジュリアさん………ごめんなさい…
ジュリア
ったく、世話の焼ける奴だ…
如月千早
カナ…
矢吹可奈
うん…大丈夫だよチハヤちゃん。ジュリアさんの言う通りだよ…
矢吹可奈
私がここで悩んでても、何も解決しないんだよね…シホちゃんに何があったのか…次は絶対に訊く!
如月千早
…そうね、カナ
如月千早
《先程までの暗い表情を吹き飛ばし、カナの瞳には確かな決意の光が宿る》
ジュリア
にしても…自惚れるつもりは無いが、巫女となるからにゃ、あたしの炎魔法はそれなりだと思ってる
ジュリア
それと拮抗するほどの炎魔法…あんな奴がいるとは思わなかった
ジュリア
カナ、あのシホってのは、元々あれほどの炎魔法が使えたのか?
矢吹可奈
…確かに炎魔法は使えましたけど…薪に火を着けられるくらいで、あれほどじゃなかったかと…
ジュリア
…とすると…たぶん、元々炎魔法の適性は高かったんだろう。…だが、心身共に未熟で…
ジュリア
結局今まで開花していなかった才能…それを誰かが強引に目覚めさせた…と、あたしは思ってる
ジュリア
が、そもそも使えないから眠ってた力だ…肉体も精神も、とんでもない負荷がかかってるだろうな
矢吹可奈
そんな…どうすれば…
ジュリア
そうだな…そいつの様子を聞く限り、精神魔法の類いもかけられてる可能性がある…なら…
ジュリア
次に会ったら…ぶん殴れ、カナ
如月千早
ええっ…!?
ジュリア
そいつにとっても、カナはかなり大事な存在のはず…なら、そんな相手に思いきりぶん殴られたら…
ジュリア
ショックがデカ過ぎて、正気に戻るかもしれん。ちと乱暴だが、可能性は0じゃねぇ
矢吹可奈
わかりました!それでシホちゃんが戻ってくれるなら…思いっっっきり…ぶんなぐります!
如月千早
カ…カナ…
ジュリア
おう!どんな事だって、やってみなきゃ…
ジュリア
ガっ…!?
如月千早
《カナが気合いを入れた瞬間、鈍い音と、ジュリアさんの小さい呻き声が響く》
如月千早
《ジュリアさんがその場に倒れ、傍らを見れば、イクも同じように倒れている》
如月千早
《そして、その背後には…異国風の甲冑を纏った少女が邪悪な笑みを浮かべ立っていた…》

(台詞数: 50)