箱崎星梨花
ここは…?
最上静香
私の家よ。カフェも兼任してるの。結局連れて帰っちゃったわね…。
最上静香
…とにかく、貴女の事をいろいろ訊かないといけないわね。座って待ってなさい。
箱崎星梨花
……じー。
最上静香
何か適当なものを持ってくるわ…って、メニューを見てどうしたのよ。
箱崎星梨花
あの、このチョコレートパフェって何ですか?なんだかとっても綺麗です…!!
最上静香
貴女、パフェ知らないの?見ての通り食べ物なんだけど…。
箱崎星梨花
じー…。
最上静香
……作ってくるから少し待ってなさい。
箱崎星梨花
ありがとうございますっ!!【パアアアァァァ!!】
箱崎星梨花
――――――――――。
箱崎星梨花
こ、これが…チョコレートパフェ!!まるで芸術作品みたいです!
最上静香
褒めてくれてありがとう。お姉ちゃんほど上手じゃないけど、店で出せる程度には作れるのよ。
最上静香
食べながらでいいわ。貴女はいったい何者なの?
箱崎星梨花
わたしは星梨花っていいます。見ての通り、番傘から成った付喪神…唐傘お化けみたいなものです。
最上静香
付喪神…唐傘お化け…どっちでもいいわね。で、それがどうして学校の傘立てにいたのよ。
箱崎星梨花
もちろん、人を驚かせるためです。
最上静香
はた迷惑な傘ね!貴女、付喪神じゃなくて完璧に唐傘お化けでしょ!!
箱崎星梨花
つーくーもーがーみーでーすー!!
箱崎星梨花
というか、人を驚かさないとわたしが大変なことになってしまうんです。
最上静香
大変な事…?
箱崎星梨花
人を驚かさないとお腹が空いちゃって…。
最上静香
帰れ。
箱崎星梨花
いやですー!!まだチョコレートパフェたべてないですー!!
箱崎星梨花
…こほん。わたしが付喪神になったときに、ちょっとした制約みたいなものができちゃったんです。
最上静香
制約…ねぇ。
箱崎星梨花
他の生き物みたいにご飯を食べなくても、別の物で空腹を補えるようになったんです。
箱崎星梨花
それが、人が驚いたときに出てくるエネルギーなんですよ。
最上静香
お客さま、お出口はあちらになります。
箱崎星梨花
まだ帰らないですー!!
箱崎星梨花
こほん。それで、誰かがわたしを使おうとしたときに驚かせたらわたしのお腹が膨れると思って…。
最上静香
それで、学校にずっとあったわけね。ただ番傘だったから使う人が全くいなくて…。
箱崎星梨花
お腹が空いて空いて気を失いそうでした…。
箱崎星梨花
ですが、あなたは使おうとしてくれました!初めてのお客様です!!
最上静香
何の客なのよ…。で、あんまり言いたくはないんだけど。
箱崎星梨花
どうかしましたか?
最上静香
パフェ、融けちゃうわよ?【ドロ…】
箱崎星梨花
あああっ!?と、融けないでくださーい!い、いただきまーす!!【パクッ】
箱崎星梨花
んんんんんんんーーっ!!!!【ペカーッ!!】
箱崎星梨花
お、美味しいですー!!わたし、美味しすぎてビックリしましたー!!
箱崎星梨花
…あれ?いま、自分がビックリして空腹が治まって…あれ?
最上静香
…自分が驚いて自分の空腹が満たされるって、随分と単純な仕組みしてるのね。一人食物連鎖って。
箱崎星梨花
ごちそうさまでした!【テカテカ】
最上静香
あっという間に食べ終わってるし。作った立場からすれば見てて気持ちいい食べっぷりだけど。
最上静香
とりあえず、貴女の身の上話を聞いたところで…。
最上静香
とりあえず、貴女の身の上話を聞いたところで…帰りなさい。
箱崎星梨花
いーやーでーすー!!まだあなたを驚かせてませんー!!
最上静香
だから、なんで私を頑なに驚かせようとしてるのよ!!
(台詞数: 48)