約束のファンタジア 第30話
BGM
Snow White
脚本家
不明
投稿日時
2018-01-10 10:19:12

脚本家コメント
『戦火の中へ』

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矢吹可奈
わわわっ!?
矢吹可奈
《ノリィさんの協力を取り付ける事に成功した私達は、ノリィさんに少し遅れて山を下りる》
如月千早
カナ、大丈夫?
矢吹可奈
う、うん…下りの雪道って凄い滑るね…転ぶところだったよ…
矢吹可奈
《とは言え、やはり正規の下山ルート。柵の外側の斜面に比べれば歩きやすい》
矢吹可奈
それにしても、これでようやく私達の役目も終わりだねチハヤちゃん
如月千早
ええ。あとはナオさんや巫女様達に任せるしか無いわ
如月千早
………母様…私達が今回の件に関わった事を知ったら怒るかしら?
矢吹可奈
《チハヤちゃんの表情が曇り、ポツリとそんな事をこぼす》
矢吹可奈
チヅルさん、チハヤちゃんが本当に大事だもんね…いかにもお母さんって感じ
矢吹可奈
大丈夫!私も一緒に怒られてあげるから!
如月千早
…ぷふっ…それは大丈夫と言って良いのかしら?
如月千早
それなら、カナがフウカさんに怒られる時は、私が一緒に怒られてあげないとね?
矢吹可奈
フウカさん…うーん、フウカさんかぁ…
如月千早
…?
矢吹可奈
フウカさんもだけど…私にとってのお母さんは…むしろシホちゃんかな
如月千早
シホさん?
矢吹可奈
《柵に手を掛け、被った雪の冷たさを感じながら、昔聞いた話を思い出す》
矢吹可奈
あのね…森に捨てられてた私を見付けてくれたのは…シホちゃんだったの
如月千早
そうなの?
矢吹可奈
フウカさんがシホちゃんを連れて森をお散歩してて…日が暮れそうになったから帰ろうとしたら…
矢吹可奈
シホちゃんがフウカさんの手から離れて森の奥に走り出しちゃったんだって
矢吹可奈
慌てて追いかけたフウカさんが見付けたのが、泣いてる赤ちゃん…私に寄り添うシホちゃんだったの
矢吹可奈
シホちゃんが私の泣き声に気付いてくれなかったら、私、森の魔獣に食べられちゃってたかも…
如月千早
あ、危なかったわねそれは…
矢吹可奈
それからシホちゃんは、積極的に私の面倒を見てくれて…私の一番古い記憶も、シホちゃんだなぁ…
矢吹可奈
たぶん私と2つか3つくらいしか歳違わないはずなんだけど…
如月千早
一目会っただけだけど…確かにシホさんはしっかりしてそうだったわ
如月千早
そう言う事なら、カナのお母さんと言うのも納得ね、ふふっ
矢吹可奈
それじゃ私がしっかりしてないみたいだよぉ!
矢吹可奈
《でも確かに、どんな時も私の手を引いて、色々教えているシホちゃんは》
矢吹可奈
《お姉さんと言うよりはお母さんみたいだと、周りの皆も言っていた》
如月千早
ふふ…ごめんなさい。それじゃあ私達のお母さんに怒られる為に…まずは山を下りなきゃね
矢吹可奈
うん!
矢吹可奈
《と、私がチハヤちゃんに返事を返した瞬間》
矢吹可奈
…!?
如月千早
!!
矢吹可奈
《どこかで大きな爆音があがる》
矢吹可奈
な、なんの音!?
如月千早
爆発…!?いったい何処で…
矢吹可奈
《私とチハヤちゃんは、柵に身を乗り上げ、あちらこちらを見回す》
如月千早
!カナ、あそこ!
矢吹可奈
《チハヤちゃんが指差したのは、帝都シーアン側に下りるこのルートから少し外れた》
矢吹可奈
《南側の麓にある集落のようだった。確かに炎と黒煙が立ち上っている》
矢吹可奈
チハヤちゃん!
如月千早
ええ!
矢吹可奈
《私達は頷き合って、どちらからともなく柵を乗り越え、件の集落へと走り出した…》

(台詞数: 47)