福田のり子
光の巫女か…闇の巫女と並んで色々謎が多いとは思ってたけど、そんな事に手を染めてたとはね…
福田のり子
よし、わかった!アタシが巫女のなんたるかをその子に教育してあげる!任せて!
如月千早
ありがとうございます!
矢吹可奈
やったねチハヤちゃん!
如月千早
ええ!あとは南に向かったナオさんの首尾がどうなったかね…
如月千早
《私達の申し出を快く受けてくれたノリィさんに、カナと手を取り合って喜ぶ》
福田のり子
ちょうど今は雪の降る季節じゃないし…アタシが離れても大丈夫なはずだしね
矢吹可奈
あ、そう言えば、この辺りの気候って、ノリィさんが管理してるんですよね…
福田のり子
まあね。ま、昔の氷の巫女が遺した書物に従ってるだけなんだけど…
如月千早
それでも凄いですノリィさん。気候を一定の状態に保つなんて、簡単な事じゃありません
福田のり子
えっへへ、そう?ま、褒められて悪い気はしないかな♪
福田のり子
さて、それじゃ下山…の前に、氷の魔力を補充してこうかな。ちょっと待っててくれる?
如月千早
氷の魔力…そう言えば、氷の魔力は何に含まれているのですか?やはり雪や氷?
福田のり子
うーん…説明よりも、見るのが早いかな。こっち来て
如月千早
《そう言ってノリィさんが私達を案内したのは、家の裏の凍りついた湖だった》
如月千早
…澄んだ湖…水の魔力が豊富で、近くにいるだけで気持ち良い…
福田のり子
本家水の巫女ほどじゃないけど、水の浄化はそれなりに出来るからね♪
福田のり子
あらよっと(バキィッ!
矢吹可奈
(…ぶ、分厚い氷に拳で穴を空けた…)
如月千早
(なんてパワーなの…)
如月千早
《氷に空けた穴に腕を入れたノリィさんに、水の魔力が集まるのを感じる》
福田のり子
…うん、こんなもんで良いかな…
矢吹可奈
え?でもそれって、氷しゃなくて水の魔力じゃ…?
福田のり子
そうだよ?そしてこれを………はっ!
如月千早
…!?これは…水の魔力が変化している…!?
福田のり子
………ふう…。そ、氷の魔力はね、自然界には存在しないんだよ
福田のり子
こうして取り込んだ水の魔力を、身体の中で加工する…これで初めて氷の魔力になるんだ
福田のり子
この辺りも、氷の巫女が他の巫女と違う…イレギュラーな部分だね
福田のり子
ついでに言えば、氷の巫女の役目も、少し違う
矢吹可奈
役目?他の巫女様とですか?
福田のり子
うん。他の巫女は、水とか炎とかを直接操って、世界の秩序を守ってるでしょ?
如月千早
では、氷の巫女様は…?
福田のり子
氷の巫女が操るのはずばり…“気温”だよ
矢吹可奈
気温!?暑かったり寒かったりって言う…あの気温ですか!?
福田のり子
ま、プラスの方…つまり気温を上げるのは限度があるんだけどね
福田のり子
雪が降っても積もらせ過ぎず…かといって溶かし過ぎず…この絶妙な調整が難しいんだよね~
如月千早
なるほど…それが気候維持の秘密だったんですね
福田のり子
まあね。さーて、それじゃ今度こそ本当に下山しよっか!
福田のり子
どうする?山の斜面を凍らせて、一気に滑り降りる事も出来るけど?
矢吹可奈
え…
如月千早
え…
如月千早
《ノリィさんが指差した斜面は、霞の合間に辛うじて下の地面が見えているほど高い位置にある》
如月千早
…え、遠慮しておきます…
福田のり子
そう?それじゃアタシ、先に行っちゃうよ?
福田のり子
じゃ!べリア王国で会おうね!ヒャッホオォォォォォウ!!
如月千早
《ノリィさんは、私達に手を振ると、本当に斜面を凍らせて滑って行ってしまった》
矢吹可奈
なんと言うか…凄い人だったね…
如月千早
ええ…。と、ともかく私達も下りましょうか
如月千早
《木霊するノリィさんの叫びを聞きながら、私達は本来の下山ルートに向かって歩き出した…》
(台詞数: 49)