約束のファンタジア 第27話
BGM
あのね、聞いてほしいことがあるんだ
脚本家
不明
投稿日時
2017-12-31 10:16:15

脚本家コメント
『北の国のあったかい心』

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矢吹可奈
ふわあぁぁ…ここがルオヤン帝国…変わった形の建物がいっぱいだね!
如月千早
本当ね…同じ大陸にある国なのに、こんなに特色が違うなんて不思議だわ
如月千早
《キャスパリグを出た私達は、途中の町や村で休憩を挟みながら歩き続け…》
如月千早
《約10日後にはルオヤン帝国の帝都、シーアンに到着していた》
矢吹可奈
でも、氷の巫女様って、どこにいるのかな?
如月千早
そうね…でも確かジュリアさんは、氷の巫女様はルオヤンの人々にアイスボールを配ってる…
如月千早
そう言ってたわ。だから、街の人に聞いたら何かわかるかもしれない
如月千早
《私の言葉に屈託の無い笑顔を浮かべたカナは、大きく頷く》
矢吹可奈
だよね!よーし、さっそく聞き込みに行こう!
如月千早
《勢いよく走り出そうとするカナを、慌てて捕まえる》
如月千早
ちょ、ちょっとカナ!キャスパリグと違って複雑な構造の街なんだから、離れちゃ駄目よ!
矢吹可奈
とと…そ、そうだったね、ごめん
矢吹可奈
じゃあ、どこから行こうか…?
如月千早
うーん…街の中央から、東西南北に順番に行く…それとも賑やかな繁華街を中心に…
如月千早
《私達が行くべき場所をあれこれ考えていると、背後から声をかけられた》
木下ひなた
もしもしそこの人、何かお困りかい?
矢吹可奈
え?あ、ああごめんなさい!邪魔でしたか!?
如月千早
《声をかけられて初めて私達は道の真ん中で立ち尽くしていた事に気付く》
木下ひなた
ううん、大丈夫だよぉ。ただ、なんだかあっち見てこっち見て困ってそうだったからついねぇ
如月千早
《良く見れば、眼前の女の子は勇壮な甲冑に身を包んでいる…どうやらこの国の武将らしい》
如月千早
あの…少しお聞きしたいのですが…氷の巫女様をご存じないですか?
如月千早
《私の質問に、女の子は変わらぬ笑顔で答えてくれる》
木下ひなた
ああ、巫女様を訪ねたかったのかい?さすが巫女様はなまら人気者だねぇ
木下ひなた
でも、ごめんねぇ…巫女様は街には住んでないんだわぁ…
矢吹可奈
えっ?そうなんですか?
木下ひなた
うん…ほら、東の方に雪山があるっしょ?あの山の中腹辺りに暮らしてんだよぉ
如月千早
《女の子が指差す方を見れば、オーディーンマウンテンの半分ほどの高さの山がある》
木下ひなた
良く街に降りて来て、色々助言してくれっから、皆大助かりなんだぁ
木下ひなた
それに実を言うと、この街だって、巫女様のおかげでここにあるんだよぉ
如月千早
街がここにあるのが氷の巫女様のおかげ…?どういう事ですか?
木下ひなた
あのねぇ、実はこの辺りは、本来は雪に閉ざされて、とても人が住める場所じゃないんだよぉ
木下ひなた
んでも、昔の巫女様が気候を操って、雪の一部を溶かしてくれたんだぁ
木下ひなた
そこに作られたのが、このシーアンらしいよぉ
木下ひなた
んで、今の巫女様がその気候を維持してくれてっから、この街は雪に埋もれてないんだよぉ
矢吹可奈
へえー…!それじゃあ、見方によっては、巫女様が作った街なんですね!
如月千早
気候を操るなんて凄い魔力…
木下ひなた
えへへ…んだもんだから、昔の巫女様には、当時の皇帝陛下も頭が上がらなかったらしいよぉ
木下ひなた
今の巫女様はサバサバした人だから、そういうの嫌みたいだけどねぇ
如月千早
ふふ…貴重なお話をありがとうございます
如月千早
それでは、私達は巫女様を訪ねてみようと思います
如月千早
《私達が会釈をして立ち去ろうとすると、女の子が慌てて呼び止めて来た》
木下ひなた
ちょちょ、その格好で行くのかい!?凍死してしまうよぉ!
矢吹可奈
大丈夫です!ほら、ちゃんと厚手の防寒具も用意して…
如月千早
《カナがカバンからオーディーンマウンテン用の防寒具を取り出して見せる》
木下ひなた
雪山舐めたらダメがべや!見たとこ南から来たんしょ?南の山とはべつもんだよぉ!
木下ひなた
ちょっこし来てくれっかい?ルオヤン軍の正規装備ならまだマシだからねぇ
矢吹可奈
そ、そんな悪いですよ!
木下ひなた
いっからいっから!困ってる人助けんのも軍人の仕事だからねぇ
如月千早
《そう言うと、女の子は私達の腕を掴んで引っ張って行く。…カナに劣らず優しい子だ》
如月千早
《…見た目からは想像も出来ない腕力と握力には少し参ったけれど》

(台詞数: 50)