『黒猫の舞う舞台』8話
BGM
CAT CROSSING
脚本家
おぼろ丸
投稿日時
2018-02-01 12:03:26

脚本家コメント
【あらすじ】黒幕の仕掛けた罠を運良く退け続けた志保たち。反撃の一手は見つかるのだろうか…。

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北沢志保
こんばんは、笹木さん。…今よろしいですか?
黒井社長
笹木「ん?ああ、構わないよ。飲みながらで失礼。…せっかくだから君たちも何か飲むといい。」
北沢志保
…そうですね。ウーロン茶でお願いします。
高坂海美
私、プロテインドリンク♪
北沢志保
あるわけないじゃありませんか…。
黒井社長
笹木「はは、それがね。体力づくりをしたい若手も利用するから…あるんだよ。」
北沢志保
あるんですか?!
高坂海美
やった♪お願いします♪
黒井社長
笹木「この劇場はかつて俳優を志したオーナー柴本君の方針で若手も利用しやすくなっている。」
黒井社長
笹木「柴本君とは古い付き合いだからね。私達も利用させてもらっているよ。」
北沢志保
そうですか。…高梁さんとも長い付き合いなんですか?
黒井社長
笹木「ひより君か…。ああ、高梁君のことだよ。彼女の初舞台から…かな?…まったく…。」
黒井社長
笹木「この劇場に彼女を最初に連れてきたのは私だ。彼女もここを気に入ってくれたようでね。」
黒井社長
笹木「大事な舞台の前なんかはここで泊まり込むこともあったかな?」
黒井社長
笹木「…今回が最後の舞台になるかもしれなかったから、気持ちも入っていただろうに、ね。」
北沢志保
最後の舞台?!…どういうことですか?
黒井社長
笹木「…『探していたものがやっと見つかった』と言っていたかな。」
黒井社長
笹木「今の事務所との契約満了もあって、第一線からは退くつもりだったらしい。」
北沢志保
…探していたものは見つかったんですね…。
高坂海美
志保りん?
黒井社長
笹木「もっとも、佐原君なんかは反対していたらしいけどね。まだ上を目指せるのに!…と。」
黒井社長
笹木「私も残念には思うが、彼女の人生だからね。別れというわけでも…なかったはずなのにね。」
北沢志保
…。
高坂海美
何をするつもりだったのかな?
黒井社長
笹木「ああ、若手や後進と一緒にここを拠点にして活動するつもりだったらしい。」
北沢志保
なるほど。『第一線を退く』ってそういう意味ですか。
黒井社長
笹木「若手のマネジメントや育成の手助けをしたいと言っていたかな?はは…。」
高坂海美
ん?…そうしたら、あの嫌み男とは縁が切れちゃうのかな?
北沢志保
そうなりますね。ある意味、独立に近いのかもしれません。
黒井社長
笹木「…彼には動機がある…と?だが、彼にはアリバイもあるよ。」
北沢志保
アリバイ…ですか?
黒井社長
笹木「ああ。死亡推定時刻には一時間の範囲があるわけだが…。」
黒井社長
笹木「実際は後半の30分しか犯行可能時間がないらしい。」
北沢志保
…なぜです?
黒井社長
笹木「ひより君は練習を記録して、後からチェックをする習慣があった。」
黒井社長
笹木「今回も一時間ほど録画をしていたそうだよ。死亡推定時刻の前半30分にかかるように。」
北沢志保
…なるほど。
北沢志保
…なるほど。前半30分は生存が記録されているから、犯行は後半の30分に限られると。
黒井社長
笹木「ああ。後半の30分、彼は私と打ち合わせをしていたよ。」
北沢志保
彼女のその習慣は皆さん知っていたんですか?
黒井社長
笹木「ああ。…私も含めて、ね。」
北沢志保
ありがとうございます。参考になりました。
黒井社長
笹木「…可能性を口にしてしまった私が悪いのかもしれないが、スタッフ達が噂をたてているよ。」
黒井社長
笹木「…連続殺人の始まり!…とね。特に北沢君、君は十分に注意しなさい。」
北沢志保
忠告、ありがとうございます。では。
黒井社長
(去り行く足音が遠ざかる)
黒井社長
笹木「さて…ひより君、君のおすすめの黒猫君はどう動くのかな…?」

(台詞数: 47)