伊吹翼
...ん...ここは...
伊吹翼
...ん...ここは...ベットルーム?
伊吹翼
(ゆっくりと目を開けると見慣れない天井が見える...誰かの家みたいだけど...)
伊吹翼
(横を見ると、机とキッチン...奥の方からはシャワーの音が聞こえる)
伊吹翼
(少しすると、シャワーの音が止まって、お風呂場から足音が聞こえた)
伊吹翼
暁P「...目が覚めたみたいだね。 ...よかった...。」
伊吹翼
...プロデューサーさん...
伊吹翼
...プロデューサーさん...!?
伊吹翼
(バスルームからデニムパンツをはいた格好で、プロデューサーさんは出て来ようとしていた。)
伊吹翼
暁「あぁ...ワイシャツがボロボロだよ...ま、翼にはなんともなさそうだから、痛み分けか」
伊吹翼
(プロデューサーさんはそんなことも気にしないで、汚れて破れたシャツを、ゴミ箱に投げ捨てた)
伊吹翼
(塩顔からは想像できない、引き締まった、アスリートみたいな体型に目がいっちゃう)
伊吹翼
って、どうして下だけしかはいてないんですか! ...上も着ないとカゼ引いちゃいますよ?
伊吹翼
暁「ああ...部屋にいるときはいつもこの格好なんだよ。 解放感があって、心地いいんだよ?」
伊吹翼
暁「それに翼はお兄さんがいるでしょ? 男の上裸くらい見慣れてると思って。」
伊吹翼
そ、それはそうかもしれない...ですけど...
伊吹翼
(同じ男の人でも...プロデューサーさんとお兄ちゃんじゃ全然違うのに...)
伊吹翼
暁「...あの後、色々と嗅ぎ回ってる人達が来てさ...逃げるためにここにしたんだ。」
伊吹翼
暁「友人の助けもあって、なんとか撒けたけど...外に出るのは危険そうだね。」
伊吹翼
(プロデューサーさんが窓の外を親指で指す...道路に何人かそれっぽい人がいるなぁ...。)
伊吹翼
暁「そういう訳で社長や先輩に、今の状況を報告したらさ...」
伊吹翼
暁「...ほとぼりが冷めるまで...つまり、」
伊吹翼
暁「...ほとぼりが冷めるまで...つまり、今日は外に出るなと言われたんだ...」
伊吹翼
...それって...つまり...
伊吹翼
暁「うん、今日に限っては二人一緒に一晩を過ごせってことになるね...」
伊吹翼
(プロデューサーさんと一緒に過ごせってことは...)
伊吹翼
(プロデューサーさんと一緒に過ごせってことは...お泊まりってこと!?)
伊吹翼
暁「さて...早く伊吹家に...送らないと...親御さんも心配してるだろうし...」
伊吹翼
待って、プロデューサーさん!! ...そのことなんだけどね...
伊吹翼
実は今日、ジュリアーノの家に泊まるって...お父さん達に行ってきちゃったんだ♪
伊吹翼
(もちろんこれはウソ、でもこれでプロデューサーさんも無理には断らないはず...)
伊吹翼
暁「...まぁ、そういうことなら仕方ないか...うん...」
伊吹翼
暁「ジュリアさんの家に送るのもあっちに迷惑だし...しょうがないからうちに泊まっていいよ」
伊吹翼
ホント!! やった~、プロデューサーさんちにお泊まり会だ~♪
伊吹翼
暁「しっ...外に聞こえるでしょ? ...こっちだって気が気じゃないのに...」
伊吹翼
暁「...とにかく、服も汚れてるから、風呂に入ってきなよ、お湯も張り直したしね。」
伊吹翼
ありがとうございま~す♪ そうだ、プロデューサーさんも一緒に入ろ?
伊吹翼
(ちょっと冗談ぽく、プロデューサーさんをからかってみる...すると)
伊吹翼
暁「も、もう...僕はもう入っちゃったし...とにかく早く入って来なさい!」
伊吹翼
(プロデューサーさんが真っ赤になって照れてる...なんかいじりがいがあるなぁ♪)
伊吹翼
暁「とりあえず服は洗うから、出しといてね! 着替えはこっちで用意しとくから!」
伊吹翼
(扉ごしにプロデューサーさんの声が聞こえる...なんかちょっとドキドキするような...)
伊吹翼
(わたしはそのままプロデューサーさんのシャワーを借りて、さっきまでの汗を流した。)
伊吹翼
───
伊吹翼
暁「...危なかった...もう少しで翼を...」
伊吹翼
暁「...いや、ダメだ...僕には...そんな権利...」
伊吹翼
暁「...いや、ダメだ...僕には...そんな権利...ないんだから。」
(台詞数: 47)