真壁瑞希
ベケベンベンベンベンベケベケ♪
真壁瑞希
一つ話にお付き合いください。
真壁瑞希
先日、馬場さんと買い物へ行きました。
真壁瑞希
少し早い誕生日プレゼントよ、ということで服を見てもらうことになったのですが、
真壁瑞希
パチパチパチ)……ありがとうございます。お祝いを要求した形になってしまいました。
真壁瑞希
コホン。それで街へ繰り出したものの、馬場さんが行こうとした店になかなかたどり着けません。
真壁瑞希
結局、別の店で買っていただいたのですが、あとで話を聞くと夢で見たお店だったそうです。
真壁瑞希
よほどリアルな夢だったんでしょう。馬場さんは、百瀬さんのような服を買ったと言っていました。
真壁瑞希
……何もおかしいところはないぞ、瑞希。
真壁瑞希
さて、あまりにリアルな夢ですと、夢と現実の区別がつかなくなる時があります。
真壁瑞希
今回のお話は、そんな夢と現実のお話です。
真壁瑞希
ある日、舞浜さんが大慌てでレッスンルームへ入ってきます。
舞浜歩
真!さっき、そこでいいものをもらったんだ!なんだと思う?
菊地真
いいもの?……まさかキャッピキャピのルンル~ンになれるコスメとか!?
舞浜歩
あー……そうじゃないんだけど。
真壁瑞希
頭を掻きつつも、舞浜さんは持ってきた袋の中身を菊地さんへ見せます。
舞浜歩
じゃーん、食べたらトップアイドルになれる小籠包なんだって!
菊地真
トップアイドルになれる……小籠包?
真壁瑞希
当然、菊地さんは怪しみます。しかし、舞浜さんは有頂天です。
舞浜歩
とうとうトップアイドルになれる日が来たんだなぁ!頑張ってレッスンした甲斐があったよ!
真壁瑞希
目をキラキラと輝かせる舞浜さんへ、菊地さんは疑いの言葉をかけられずにいました。
舞浜歩
あ、もちろん真も一緒にな。ちゃんと人数分貰ってきたからさ。
真壁瑞希
これ以上話を大きくするとややこしくなる、そう思った菊地さんは一策を講じます。
菊地真
なぁ、歩。この小籠包、全力でレッスンしてゆっくり眠った後なら美味しいと思わないか?
舞浜歩
おっ!ナイスアイデアだよ、真!じゃあ、これはあとにして、っと。
真壁瑞希
舞浜さんは小籠包をロッカールームに置いて、真さんと一緒にレッスンを始めました。
真壁瑞希
レッスン後の休憩を終え、舞浜さんがロッカールームに戻るとなんと小籠包がありません。
舞浜歩
マイガーッ!小籠包が消えちまった!誰か、誰かに持ってかれたのか!?
菊地真
小……籠包?何のことだい?
舞浜歩
何を言っているんだ、真。さっき話しただろ、トップアイドルになれる小籠包だよ。
菊地真
歩、それはきっと呪いの小籠包の夢だ。小籠包がトップになれない呪いをかけようとしたんだよ。
舞浜歩
マジか!って、もしかしてもう呪いにかかってる!?
菊地真
大丈夫。2人なら呪いも乗り越えられるさ!頑張ってトップアイドルを目指そう、歩!
真壁瑞希
2人は熱い握手を交わし、レッスンルームへと走っていきました。
真壁瑞希
5年後、2人を含んだ50人は武道館ライブを成功させ、一流のアイドルとなります。
真壁瑞希
トップアイドルももうすぐというそんな時、菊地さんは舞浜さんに小籠包の件を打ち明けます。
菊地真
歩、実は5年前の小籠包なんだけど、あれはボクが隠したんだ。
舞浜歩
真が……?どうしてそんなことを!?
菊地真
あんなもので夢を叶えて欲しくなかったんだ。ボクは歩と背中合わせでトップを獲りたかったから。
真壁瑞希
真さんはカバンから紙袋を取り出します。
菊地真
これ、あの時の小籠包。ボクらは充分に頑張った。今ならこれを食べても大丈夫だよ。
真壁瑞希
菊地さんが差し出す紙袋に舞浜さんはおずおずと手を伸ばします。
舞浜歩
……いや、やめておくよ。
菊地真
どうして?
舞浜歩
ここまで2人で頑張ってきたんだ。今更、こんなものの力に頼りたくない。それに……
菊地真
それに?
舞浜歩
5年もたっているんだろ、この小籠包。お腹を壊して呪いが本当になったらいけない。
真壁瑞希
おあとがよろしいようで
真壁瑞希
ペコリ
真壁瑞希
パチパチパチパチパチパチパチパチ
(台詞数: 50)