箱崎星梨花
(ブーン…バチィ)「やっぱり、ゲートを封じられてるみたいです」
矢吹可奈
「えっと……それじゃあ、つまり…?」
箱崎星梨花
「この結界をなんとかしないと、地上に戻れません」
矢吹可奈
「えぇ!?そんなぁ………なんとかって、具体的にどうすれば良いんですか?」
箱崎星梨花
「結界を破るには結界を張った術者を倒す必要があります。ただ…」
矢吹可奈
「ただ…?」
箱崎星梨花
「これだけの規模の結界を1人で張れるとは思えませんから…」
箱崎星梨花
「たぶん、私を連れてきた天使達が数人がかりで張ったんだと思います」
矢吹可奈
「それって、つまり………その天使達全員を倒さないといけないってこと…!?」
箱崎星梨花
「はい、そうなりますね」
矢吹可奈
「うぅ~~~……早くシホちゃんの所に行かなきゃなのに、次から次に~」
箱崎星梨花
「………良ければ事情を教えてください。たぶん、私が連れて来られたのも、この結界も…」
箱崎星梨花
「貴女を邪魔するためだと思うので、貴女がやろうとしていることはきっと…」
箱崎星梨花
「サイレンスの奸計を阻む鍵になると思うんです」
矢吹可奈
「え、サイレンスって………たしか、シホちゃんを騙してた悪いヒト!」
箱崎星梨花
「騙してた…?」
矢吹可奈
「はい、実は━━━━━━」
箱崎星梨花
「━━━━━━なるほど、そういうことだったんですね…」
矢吹可奈
「だから、早くシホちゃんの所に行かないとダメなんです!」
箱崎星梨花
「わかりました。じゃあ、まずは魔界の中心に行きましょう」
矢吹可奈
「中心?どうしてですか?」
箱崎星梨花
「結界は基本的に術者を中心に球状に展開されるんです」
箱崎星梨花
「魔界全体を覆うような結界を張るなら、まず間違いなく魔界の中心でやるはずですから」
箱崎星梨花
━━━━━━
矢吹可奈
「あれ?あそこに居るのって…」
北上麗花
「はっ!」(スパァン)天使「ぐっ……バカな、たった1人の魔族に我々天使が…」(ドサ)
箱崎星梨花
「…!」(あれはたしか魔王軍の……幹部とはいえ、1人であの数の天使を…?)
矢吹可奈
「レイカさん!?どうしてココに…?」
北上麗花
「あ、カナちゃん!たぶん、カナちゃんと同じ理由だよ」
矢吹可奈
「同じ?………あ!そうか、レイカさんも結界で帰れなくなったんですね」
北上麗花
「うん、それで術者をやっつけに来たんだけど……ちょっと困ったことになって」
矢吹可奈
「え、倒したんじゃないんですか?」
北上麗花
「倒したのはただの護衛だよ。アレを見て」(スッ)
矢吹可奈
「うわぁ、綺麗な水晶………水晶?」
箱崎星梨花
「アレは魔力結晶…!」
北上麗花
「そうです。しかも……はっ」(スパァン)
矢吹可奈
「おぉ!真っ二つに………え!?」(シュゥゥゥ…)
箱崎星梨花
「元に戻った………まさか…!」
北上麗花
「はい。結界を維持してるのはこの魔力結晶で間違いないんですけど…」
北上麗花
「この魔力結晶自体がまた別の魔法で護られてるみたいなんです」
北上麗花
「で、その魔法を調べてみたところ……ここから東西南北にそれぞれ真っ直ぐ行った先にある…」
北上麗花
「別の魔力結晶を4つ同時に破壊する必要がある、ってことが判ったんです」
矢吹可奈
「4つ同時にって………えぇ!?ちょっと待ってください…」
矢吹可奈
「リクくんを除いたら、ここに居るのは3人……1人足りないじゃないですか!」
箱崎星梨花
「いえ、4つの魔力結晶を破壊した後、すぐにここのも壊さないといけないから…」
箱崎星梨花
「最低でも5人は必要です」カオリ「あら、だったら丁度良かったわね」
矢吹可奈
「え、カオリさん!?」カオリ「私達も帰ろうとしたところで結界に邪魔されちゃって…」
矢吹可奈
「私“達”…?」カオリ「紹介するわね、この子はツムギちゃん」ツムギ「…」(ペコリ)
矢吹可奈
カオリ「間の悪いことに迎えに来てもらった直後に結界が張られて……だから私達も協力するわ」
箱崎星梨花
(この2人識別信号がない……まさか外の世界の…?でも“魔力がある”……どういうこと…?)
(台詞数: 50)