馬場このみ
ふふふ…本当は貴女の行方がわかってから、シホを餌に釣るつもりだったんだけど…
馬場このみ
まさかあの子の訓練の為に出向いた先で見つけるなんてね…歌守の民、カナ…うふふふ
如月千早
《イクとジュリアさんを昏倒させた少女は、心底愉快そうに笑い声を漏らす》
矢吹可奈
ジュリアさん…イクちゃん…!
如月千早
《倒れたジュリアさん達に駆け寄ろうとするカナを制し、私は少女を睨む》
如月千早
貴女は…誰なの!?一連の事件の黒幕なの!?
馬場このみ
あら、これは失礼…名乗りは武人の華なのに、歌守の民が手に入る興奮で忘れてたわ
馬場このみ
ふふっ…私はコノミ…コノミ・ババ…昔は不死身の鬼蝮なんて呼ばれた事もあったわ
如月千早
その名前…そしてその姿…ジパング人ね…!
馬場このみ
正解。そして、私は黒幕ではないわ。ま、その協力者ってとこね
馬場このみ
さ、前置きはこの辺にして…単刀直入に言うわ。歌守の民、カナ…
馬場このみ
私と一緒に来てもらうわよ…!
矢吹可奈
…!?
如月千早
カナを…!?
馬場このみ
ま、外道に身を堕としたとは言え、私も武人の端くれ…非武装の女子供を斬る趣味は無いけど…
馬場このみ
貴女の態度次第じゃ…その矜持も捨てなきゃかもね…?
如月千早
《そう言うと、コノミは刀の刀身をジュリアさんの首に押し当てる》
矢吹可奈
や、やめて!!
如月千早
くっ…卑怯…卑怯よ…!命を盾に取るなんて!
馬場このみ
生憎と、正道だ外道だなんてのは、とうの昔に考えるのをやめてるのよ、私はね
馬場このみ
さあ…どうするのカナ?
如月千早
………
馬場このみ
…そっちのお嬢ちゃん…余計な事は考えない方が良いわよ?
馬場このみ
貴女が魔法を放つより、私がこの2人の首を飛ばす方が早いわ
如月千早
っ!
如月千早
《私が背中に隠した右手に水の魔力を集めようとした瞬間、先手を打たれる》
馬場このみ
そうね…決められないなら、この2人だけじゃなく、そっちの子も…
矢吹可奈
…わかり………ました…
如月千早
…!?カ、カナ…!?
矢吹可奈
言う通りにすれば…もう誰も傷付けないでくれるんですよね…?
馬場このみ
さっきも言ったけど、私も武人の端くれよ。約を違える事だけはしないわ
矢吹可奈
……………
如月千早
《カナが、一歩…また一歩とコノミに近付いてゆく》
如月千早
カナ…!!
矢吹可奈
…ごめん、チハヤちゃん…ちょっと行って来る…
矢吹可奈
だ、大丈夫だよ…すぐ戻って………来るから…!
如月千早
《嘘だ》
如月千早
《カナの潤んだ瞳に映っているのは、さっきまで宿っていた決意とは別物の恐怖と覚悟と…絶望》
馬場このみ
…ふっ!!
矢吹可奈
かっ…!は…ぁ…
如月千早
《コノミが目にも止まらぬ早さで持ち変えた刀の鞘が、カナの鳩尾にめり込む》
如月千早
《気を失ったカナを、体格に見会わず軽々と担ぎ上げたコノミの周囲に魔方陣が展開する》
馬場このみ
ふふ…この子の素直さに免じて、他の子の命は取らないであげる…
馬場このみ
じゃあね、お嬢ちゃん♪拾った命を大事にしなさい。…もうじき、全てが0になるけどね、ふふっ♪
如月千早
《コノミは満面の笑みを浮かべると、魔方陣が放つ光の中に消えて行った…カナと共に》
如月千早
カ…ナ…
如月千早
…カナ…カナァァァーーーーーッッ…!!!!
(台詞数: 47)