北沢志保
(そうして私は春香さんに拾われ、一緒に暮らすこととなった。)
北沢志保
(春香さんは独りで山奥に暮らしており、たまに朝から仕事?に出掛けている。)
北沢志保
(私は主に部屋の掃除をしたり、春香さんのお手伝いをしている。)
北沢志保
(私は本当に何もないので、完全にお世話になっている。)
北沢志保
(不思議なのは、あれ以降私について聞こうとしないのと、自分のことを話さないことだ。)
北沢志保
(聞かれたくないという様子ではないが、何となく聞けずにいる。)
天海春香
悪いねぇ、志保ちゃん。私、家事とかが苦手でさ。お菓子だけは作れるんだけどねぇ。
北沢志保
いえ、気にしないでください。私、家事全般は得意なんです。ずっと、やらされていましたから…。
天海春香
…ごめんね。嫌な事思い出させちゃったね。
北沢志保
いいんです。大丈夫ですから!むしろ唯一自分が誇れることなので、頼ってもらえて嬉しいです!
天海春香
そっか〜。やっぱり君は強い娘だ。君とあそこで出会ったのは、きっと運命の巡り合わせだね。
北沢志保
…でも、本当にいいんでしょうか。きっとこの先、私のせいで厄介な事に巻き込まれるんじゃ…。
天海春香
はは。その点は任せて貰っていいよ。何たって私は、お金持ちだからね!
北沢志保
でも私、耐えられません。こんな私に、春香さんの大切なお金を使わせてしまってるのが…。
天海春香
言ったはずだよ。そういうのはもう無しだ。私達は家族なんだからね。
北沢志保
でも、でも……。だって、気にせずにはいられないんです。ずっと、同じ事ばかり考えてしまって…
天海春香
…そりゃそうだよね。君の境遇を考えればわかることだったよ。難しい問題だ。
天海春香
でもね、これだけは言っておきたいんだ。私は、君と出会ってから、毎日が楽しい。
天海春香
こんな性格だからね、今まで本当に独りで生きてきたんだ。だからね、知らなかったんだよ。
天海春香
誰かと一緒って事が、こんなにも素敵なんだって。ま、それでも、この性格は変わらなそうだがね。
北沢志保
春香さん…。本当に、ありがとうございます。私、甘えちゃっても、いいんでしょうか…?
天海春香
構わんさ。志保ちゃんは私の……う〜ん、妹?娘がいる歳でもないからねぇ。
天海春香
その代わり!私ができない事は容赦なく任せてちゃうから、その辺は覚悟してね。
北沢志保
ふふっ。どーんと任せて下さい!何だってやりますから!
天海春香
…。やっと笑ってくれたね。やっぱり志保ちゃんには、笑顔が似合うよ。
北沢志保
そ、そんな…。私、今までどんな顔してたんでしょう…。
天海春香
気にしない気にしない。只の独り言さ。
天海春香
さぁーてどうしようか?今日はもうやる事がないんだよ。何かあるかい?
北沢志保
今日はその、春香さんとお話ししていたいです。まだ私、春香さんの事、全然知りません。
天海春香
お〜。可愛い事言うじゃない。でも、私の事を知っている人は全然いないんだ。残念だったね。
北沢志保
…私達、家族なんですよね?だったら、隠し事はなし、いや、少なめにして欲しいです!
天海春香
いやぁ〜、志保ちゃん、痛いところを突いてくるねぇ。それが本当の志保ちゃんってことかな?
北沢志保
…っもう!からかわないで下さいよ!
天海春香
ごめんごめん。でも私、自分の事を話すのが苦手でねぇ。
天海春香
そうだ!私、1人だけ友人がいるんだ。如月千早っていうんだけどね。
天海春香
不器用な娘だけど、とても良い人なんだ。私がずっと、お世話になっている人だよ。
天海春香
今度、志保ちゃんにも紹介したいなぁ。きっと、気にいると思うよ。
北沢志保
春香さんのご友人…。きっと、素敵な方なんでしょうね。
天海春香
ま、私の友達で居られるくらいなんだ。ちょっとだけ、変わってるんだけどねぇ。
北沢志保
ちょっと、なんでしょうか…。
天海春香
あちゃ〜。言うようになったねぇ。お、もうこんな時間か、そろそろ寝ようか。
北沢志保
はい!あの、今日は、一緒のお布団で寝させて貰ってもいいですか…?
天海春香
甘えん坊さんだね。構わないよ。おいで〜。
北沢志保
…はい。ありがとうございます…///
北沢志保
(春香さん、お母さんと同じ匂いだ…。なんか、凄く落ち着く…。)
北沢志保
スゥ…スゥ…。
天海春香
…。もう寝ちゃった。まだ、気を張っていたのかなぁ。
天海春香
(きっとこの娘は私が思っている以上に心が傷ついているのだ。どうにかして支えてあげたい。)
天海春香
(私もね、軽い気持ちで君に声をかけた訳じゃない。何も心配いらないよ。)
天海春香
(だから今日はゆっくりおやすみ…。明日からも、よろしく頼むよ。)
(台詞数: 50)