星井美希
むー、悶々なの。もんもんもんもんなの。
我那覇響
美希ー、そろそろ出番だぞ…て、なんでそんなに悶えてるの?
星井美希
おー、響。良きところに来たのちょっとみて欲しいのだけど、足下。
我那覇響
足下ってただの桜の花びらじゃないの?それがどうかした?
星井美希
ここら辺って桜咲いて無いよね?何でこんなに絨毯みたいになってるの?
我那覇響
え、それは何処かの桜が散って風で 運ばれて来たんでしょ。美希理科の授業受けたことある?
星井美希
前までそんなこと無かったのに最近桜がやけに目につくようになったんだけどね、ミキ思うんだ。
星井美希
桜ってちょっと散りすぎじゃない?正直鬱陶しいの。
我那覇響
言うね。でも確かに自分も思ったことあるぞ。ソメイヨシノとかって前が見えないくらいに散るし。
星井美希
なの!いつも掃除してる人達が可哀想なの!もっと秘めやかに散ってほしいって思うな!
我那覇響
うーん、多分桜も自分のもっと色んな人に知ってほしいんじゃないの?桜ってそういうとこあるし。
星井美希
なんかそういうとこ気に入らないの!未練がましい女みたいなの!散るときゃさっさと散れなの!
星井美希
あ、そういえば響家のソメイヨシノのソメ五郎はもう散った?
我那覇響
いや、自分桜飼ってないし、さらに言うと家の庭に桜植えるのあんまり良くないからね。
星井美希
ん、そうなの?何で?
我那覇響
うーん、何て言ったらいいかな。誤解せずに聞いてほしいんだけど、
我那覇響
桜ってただ綺麗なだけの木じゃないんだよね。色々あるちょっと特別な生き物なんだぞ。
星井美希
お、何やら知的好奇心を刺激するとても面白そうな話と見たの。教えて響。
我那覇響
えーと、そういう事は自分で調べた方が良いと思うぞ。桜の名前の由来とか花言葉とか……
我那覇響
ちょっと調べたら色々素敵な話から怖い話までいっぱいでてくるぞ。
星井美希
あ、怖い話はNGなの。面白そうな話だけ抜粋して教えてほしいの。
我那覇響
頑なに自分で調べないその姿勢嫌いじゃないぞ。さっきもちらっと言ったけど……
我那覇響
桜が散る時に風に乗って遠くまで飛んでくのは自分の存在を知ってほしいからって話。
我那覇響
花びら見たらさ、さっきの美希みたいにどこから飛んで来たのか探しちゃうでしょ?
我那覇響
そういう風に、桜って一見おしとやかに見えて以外と自己顕示欲の高い……
星井美希
やっぱり最低の女なの!
我那覇響
他にもさ、桜の下歩いてたらいきなり散ったりされるとちょっとびっくりするよね。
我那覇響
まあそんな散々に言われた桜だけど、八重桜みたいな散りかたする子もいるぞ。
星井美希
あ、あれはまだ好感が持てるの。確か生首ごと……
星井美希
ボトン!
星井美希
って落ちるやつだよね。あの清々しさが華々しいの!
我那覇響
あっちの方がわりと縁起悪いって言われたりするのに、美希の感性って独特だぞ。
星井美希
でもあれはあれで花びらが重いからやっぱり掃除大変なの。やっぱり桜ってよくないの。
我那覇響
さっきから何で掃除する立場に立つの?
星井美希
響!今ミキの中で桜の株が大暴落なの!桜の良いところをミキに伝えて桜の誇りを取り戻すの!
我那覇響
え、えーと。色々な種類があって面白い。
星井美希
そんなの現地で見比べられるわけじゃないか分かりにくいの!脚下!
我那覇響
あ、あれだぞ。桜をテーマにした歌や詩は良いのが多いぞ。桜が人の感性を刺激するって証拠だぞ。
星井美希
しるかなの!脚下!
我那覇響
えー、じゃあ後は花見くらいしか。
星井美希
おー。確かにそれがあったの!花見を口実に昼間っから気兼ね無く食っちゃ寝出来るのは至高!
星井美希
やっぱり桜は無くちゃ駄目なの!日本人の心なの!リピートアフター桜!
我那覇響
美希って英語の授業受けたことある?
星井美希
そんな事より響何か用があったんじゃないの?
我那覇響
………………あ、そろそろ出番だからミキを呼びに来たの忘れてた。
星井美希
…………てことは何?ミキたち遅刻なの?
我那覇響
……………………ごめん。まあ、ここはソメイヨシノの如く華々しく登場して散ろうよ。
星井美希
桜になぞらえても駄目なの!こんなことになったのも全部桜のせいなの!律子に怒られるの!
星井美希
律子、さんに怒られたらどっちかって言うと八重桜みたいに生首ごとボトンと散るかもなの。
我那覇響
桜みたいに美しく終わるなんて事は人には難しいという今日の教訓だぞ。
(台詞数: 50)