七尾百合子
――その一射は、60年続いた戦争を終結させるものでした。
七尾百合子
ペルシャとトゥラン。二つの国の戦争は60年続き、両国は疲弊しきっていました。
七尾百合子
そこで、両国はとある協定を結んだのです。『矢を放ち、その届いた地点までを国教とする』と。
七尾百合子
その、あまりにも理不尽で、あまりにも無茶苦茶な決め方に、女神さまが手を貸しました。
七尾百合子
女神アールマティによって作り方を教えられた弓。その弓を託されたのが、アーラシュという弓兵。
七尾百合子
アーラシュは夜明けとともに、、ダマーヴァンド山の頂上から一矢、放ちました。
七尾百合子
神の風に守られて遥か彼方まで、流星よりも速く飛んだその矢は国境を作りました。
七尾百合子
その射程距離、なんと2500km。その力は、大地を割ったほどだと言われています。
七尾百合子
その人ならざる絶技の代償に、アーラシュの身体は五体四散して、命を落としてしましました。
七尾百合子
争いを終結させた、究極の一矢の名は――。
七尾百合子
――――――――――。
田中琴葉
ステラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!
豊川風花
可奈「何あの矢!?すごい勢いで船に飛んできますよ!!」
豊川風花
あの矢はいけない気配がするわ…!!可奈ちゃん、船から逃げて!!
豊川風花
あの矢はいけない気配がするわ…!!可奈ちゃん、船から逃【ドオオォォォォン!!!】
田中琴葉
真美「わぁ…風花お姉ちゃんの船が一撃で爆散しちゃった…!?」
田中琴葉
真美「琴葉お姉ちゃん、こんなすごい宝具だったんだね!も~、なんで使っちゃダメなのさ!」
田中琴葉
…………。
田中琴葉
真美「こ、琴葉お姉ちゃん!?どうしたの、しっかりして!!」
田中琴葉
ぜ、全身が痛い…。明日はきっと、筋肉痛かしら…。
田中琴葉
真美「…よくわかんないけど、すっごい強い代わりにダイショーがすっごく痛いんだね」
田中琴葉
真美「でも、これで風花お姉ちゃんは倒したのかな?あの感じだと船も木っ端ミジンコだし」
豊川風花
ところがぎっちょん、なんてね?
田中琴葉
真美「げえっ!風花お姉ちゃん!!」
豊川風花
とんでもない一撃だったわね。でも、私の船も結構頑丈だったのよ。まぁ…。
豊川風花
可奈「はらひれほろはれ~…めーがまーわるー…♪」
豊川風花
可奈ちゃんは辛うじて…って感じだけど。危ない目に合わせちゃってごめんなさいね。
豊川風花
さて、琴葉ちゃんは動けないみたいで、真美ちゃんはただのマスター。捕まえるのは容易そうね。
田中琴葉
真美「っ!!こ、琴葉お姉ちゃんには指一本触れさせないよ!!」
豊川風花
ふふっ。その威勢はいつまで続くのかしらね。さあさあ。さあさあさあ…!
七尾百合子
??「……はぁっ!!」【ブンッ!!】
豊川風花
【ガキンッ!】っ!!誰!?
七尾百合子
……。
田中琴葉
百合子…ちゃん…?
豊川風花
へぇ…。疲弊したところを狙ってくるなんて、ずいぶん狡い作戦じゃない。
豊川風花
でも…私だって負けるわけにはいかないのよ。勝ち残って、清純なお仕事をもらうために!!
豊川風花
やあっ!!【ブンッ!】
七尾百合子
……。【サッ】
七尾百合子
ふっ!!【ドゴッ!!】
豊川風花
【バキッ!!】カトラスが折られた!?たった、素手の一撃で!?
七尾百合子
はああっ!!【ズン・・・!】
豊川風花
きゃあっ!?
田中琴葉
…風花さんが、一撃…?
七尾百合子
……。【ザッ…ザッ…】
田中琴葉
真美「だ、ダメだよゆーり!琴葉お姉ちゃんは、絶対にやらせないんだから!!」
田中琴葉
真美ちゃ…危ないから、逃げて…。
七尾百合子
……。
七尾百合子
……琴葉様。【ボソッ】
田中琴葉
真美「……え?ゆーり、今なんて…?」
田中琴葉
百合子ちゃん、貴女まさか…。
(台詞数: 50)