Phantom tale #5
BGM
きゅんっ! ヴァンパイアガール
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2018-02-07 04:11:35

脚本家コメント
ここまでのあらすじ
納税義務者の皆こんにちは。 私は高山紗代子、どこにでもいる人の子です。いつも通り最寄りの一級河川で洗濯してたら河上から深手を負った女の子が特に何のオノマトペもなく流れて来ました。この21世紀に。びっくらこきつつ手当てしようと近づいたら典型的なお化け的エクトプラズムに襲われてしまってさあ大変。女の子が契約がなんやかやとか言うからてきとうに相槌打ってたらいきなり元気もりもりエクトプラズムさんたちは一目散。それから世界観の秩序がない色んなスーパーナチュラルに追われつつ女の子に助けてもらう毎日。なんかここ数日そんな感じだけどさて、クーリングオフはまだ間に合うのでしょうか。

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七尾百合子
これもそう。人は皆悲観主義者なのかしら。
高山紗代子
あのー! さっきから呼んでるんですけどー! きいてますー!
七尾百合子
勿論聞いていないわ。でも少し静かにして頂戴。読書の邪魔よ。
高山紗代子
的確に腹立つ言葉ばっか選ぶなあ。あなたが言ったからまた色々持ってきてあげたんだけど。
七尾百合子
そこに置いておいて頂戴。下がって良いわ。用があればまた呼ぶから。
高山紗代子
あ、こら。そんな暗いところで読むと性格まで暗くなっちゃうんだよ! せめて窓際行きなさい!
七尾百合子
引っ張らないで。日向は苦手なの。知っているでしょう。
高山紗代子
何で! だって教会は全然入れるようになったでしょ。結局気合の問題なんじゃないの?
七尾百合子
……ここは私にとって教会でも何でもないわ。別に居心地が良いわけでもないけれど。
高山紗代子
じゃあなんでここにいるの?
七尾百合子
……カモフラージュよ。まさか私が教会にいるなんて、誰も思わないでしょう。
高山紗代子
そんなもんかなあ。まあ私は素人だしそこら辺に首を突っ込んでも仕方ないけど。
七尾百合子
一つ、答えなさい。
高山紗代子
話の流れがわがままだ。
七尾百合子
どうして近未来小説はディストピアばかりなのかしら。
高山紗代子
知らないよ。小説屋さんにきいたら?
七尾百合子
私が知る限り、いつの時代の誰も同じような未来を書くの。
七尾百合子
そして、皆同じような終わりを迎えるわ。
高山紗代子
はあ、その心は。
七尾百合子
……静かにして、今いいところよ。
高山紗代子
横暴だなあ。っていうか、暗いところで読まないでって。
七尾百合子
私が読書している場所が偶々暗いだけ。
高山紗代子
じゃあ電気スタンドみたいなやつ持ってくるから待ってて!
七尾百合子
良いわね、私の在るところを常に照らす物を持ってきなさい。
高山紗代子
あるかなあ。一応探すけど。
七尾百合子
……もう少ししたら、私に群がってきた小者は一通り処理できるから。
高山紗代子
え、今なんの話?
七尾百合子
私が来たことで、もしあなたの正しい営みに歪みを生んでしまったなら、その……申し訳……
高山紗代子
え、なんか言った?
高坂海美
高山さーん!
高山紗代子
うわあびっくりした! いきなり大声出さないでじゃなくてこの子隠さないとっ
高山紗代子
ってあれ。いなくなってる。逃げ足速いなあ。
高坂海美
こんなところでなにしてんのー
高坂海美
って何この本の山。こんな大量の本を集めるなんてまさか暖をとるつもり?
高山紗代子
いや、本は読むという使い道もあるんだよ。
高坂海美
まっさかあ! そんなの都市伝説だよ。
高山紗代子
あ、そういえばさ。高坂さんちって変わった物いっぱい置いてるよね。
高坂海美
なんか探しもの? 物によるけどだいたいあるよ。何探してるの?
高山紗代子
ええと、どこでも着いてきてくれる電気スタンドみたいなやつ。
高坂海美
……ピクサーのi部分みたいな?
高山紗代子
流石に無いよね。
高坂海美
そう言うのはないけど、チョウチンアンコウみたいなヘッドライトだったらあるよ。
高山紗代子
あ、そんなんで良いよ。多分似合う似合う。
高坂海美
おっけー! じゃあ持ってくるからワンコイン用意して待っててねー!
高山紗代子
え、今すぐもってくるの? 通販より早い! 便利!
高坂海美
……
高坂海美
……まさか、こんなところにいるなんて。灯台下暗しってやつだね。
高坂海美
それにしても、あんなバチバチの妖みたいなやつがなんでここに入れたんだろう。
高坂海美
まあいっか! お父さんには報告するように言われてたけど。
高坂海美
私だって一人前だってこと、ここらで示さないといけないもんね。

(台詞数: 50)