北沢志保
私は、あなたに罪を犯させる訳にはいかないんです。…柴本さん。
高木社長
柴本「頼む!こうでもしないと私の気持ちが治まらないんだ!アイツを…!」
北沢志保
…ダメです。
高木社長
柴本「君に私の気持ちが…!」
北沢志保
確かに私にはあなたの気持ちはわかりません。
北沢志保
…けど、長い間父親と離ればなれになっていた娘がそれを望むかどうかはわかるつもりです。
高木社長
柴本「!?」
高坂海美
志保りん…それって…。
北沢志保
支配人室の写真…失礼ながら見てしまいました。
高坂海美
あ、ごめんなさい!
高木社長
柴本「…そうか…アレを…」
北沢志保
柴本さんの隣に写っていた女性の耳には花のイヤリングがありました。…高梁さんと同じ。
高坂海美
え?じゃあ…。
北沢志保
詳しい裏付けはお願いするしかないけど、面影が残っています。
高木社長
柴本「…必要ありません。彼女は…私の娘…父親を名乗る資格など私には無いですが…」
北沢志保
…父親が家族を捨てる理由なんて知りたくもありません。
北沢志保
…置き去りにされた娘が父親に抱く感情は…複雑です。
高坂海美
志保りん…落ち着いて…。
北沢志保
!…失礼しました…。
北沢志保
彼女と私は…似た者同士だったんですよ。…だから、彼女の【探し物】は知ってました。
北沢志保
花言葉はわかりませんが、彼女の花のイヤリングに花言葉をつけるなら…
北沢志保
『私に気づいてください』
高木社長
柴本「…ああ…」
北沢志保
父親のいない人生を歩く中で彼女は心のどこかで父親を探していた。…母親のイヤリングを着けて。
北沢志保
…気づいていたんですよね?
高木社長
柴本「ああ…気づいていたよ。」
北沢志保
…彼女も気づいていたんでしょうね。
北沢志保
だから、あなたの傍にいることを選んだ。
北沢志保
…演劇から離れなかったあなたの人生を少しでも知るために。空白の時間を埋めるために。
高木社長
柴本「それを!アイツは!」
北沢志保
あなたの罪は!家族を捨てたこと!それだけでいい!
北沢志保
娘が復讐を望むなんて、あなたのエゴなんです!
北沢志保
…どんなに複雑な想いを抱えても、自分のために罪を犯してほしいなんて思う娘はいませんよ。
高木社長
柴本「わ、たしは…私は…ああ…」
北沢志保
…娘への、家族への想いを抱えたまま生きてください。それがあなたの贖罪です。
高木社長
柴本「ああ…ああああ…(その場に崩れ落ちる)」
北沢志保
…(ふぅ)
高坂海美
志保りん…(ぎゅ)
北沢志保
!う、海美さん?!
高坂海美
志保りんつらそうだよ、悲しそうだよ~…(ぐすっ)うぅ~…
北沢志保
なんで海美さんが泣いてるんですか…まったく…。
北沢志保
可奈みたいなことしないでくださいよ…。
北沢志保
でも…ありがとうございます。
高坂海美
大丈夫?
北沢志保
ええ。問題ありません。
北沢志保
…あっちの方を片付けないと。
北沢志保
…だいぶズタボロですけど、まだ生きていますよね?
北沢志保
“元”マネージャーで犯人の佐原さん?
(台詞数: 48)