約束のファンタジア 第43話
BGM
永遠の花
脚本家
不明
投稿日時
2018-02-09 10:24:15

脚本家コメント
『根絶』

コメントを残す
矢吹可奈
《マコトさんの口から次々語られる、魔王や歌守の民の真実…私の頭は混乱を始めていた》
菊地真
ふふ…さて、さっきも言った通り、ボクは歌守の民発見を一時断念し、魂の収集を目的とした
菊地真
最初に1万ほどの魂を使い、次元に微弱な乱れが生じた…次に10万で乱れは大きくなった
菊地真
しかし、それ以上の魂は集めるのには時間がかかった…何しろ生を全うした肉体から抜け出た魂は…
菊地真
すぐに輪廻の館へ向かい、転生の準備に入ってしまうからね
菊地真
そこでボクは、地道に魂を集めつつ、輪廻の館の場所を探り始めた…
菊地真
そして50年前…ついに輪廻の館の場所を特定し、闇の巫女が眠りについた直後…
菊地真
周囲に結界を張り、外界から完全に隔離した…後は行き場を失った魂を集めるだけだから楽だったよ
菊地真
だが、実は館の所在を探る過程で、歌守の民にはある特徴が存在する事を突き止めた
矢吹可奈
…身体の周りの結界…ですか?
菊地真
ふふふ…そう、あらゆる音から魔力を取り除く結界…恐らく音を媒介とする精神魔法への対策だろう
菊地真
洗脳される事で、鍵となる歌を聞き出される事を恐れたのだろうね
菊地真
…ボクはその結界による魔力の乱れを頼りに、歌守の民の隠れ里を見付けたんだ…15年前の事さ
矢吹可奈
!…歌守の民が…まだ…いた…!?
菊地真
ああ。ボクはようやく歌守の民が手に入る…そう思ったが…不覚にもあちらに感付かれてね…
菊地真
ボクの狙いを察知した彼らは、なんと自分達の魂を焼き付くす形での集団自決を行ったんだ
菊地真
歌守の民の全滅を悟ったボクは、やむなく魂収集を優先目標とした…だが…奇跡とはあるものだね
菊地真
キャスパリグで君に会った時、神の思し召しと言う言葉を思い出したよ…この場合は魔王の、かな?
菊地真
…ふふ、では昔話はこの辺にしようか…
矢吹可奈
…1つ聞かせてください…そうまでして魔王の魂を求めて…マコトさんは何をする気なんですか…?
菊地真
…ふむ…ま、鍵と言う意味では君も協力者…良いだろう、教えてあげよう。ボクの目的は…
菊地真
…この世界の歴史からの…人間の抹消だ
矢吹可奈
…!?に…人間の…抹消…!?
菊地真
そうだよ。…肉体は脆く、精神は未熟…儚い命…そのくせ闘争本能と欲望は異常に強い…
菊地真
こんな不完全な種は、この世界には不要だと思わないか?
矢吹可奈
そんな…そんな自分勝手な理由で…!
菊地真
自分勝手?君達がそれを言うのか?では君達は、進化の過程でどれだけの種の未来を根絶した?
菊地真
百か?千か?万か?億か?そのどれもが本当に必要な死だった…君はそう言えるか?
矢吹可奈
…そ…それは…
菊地真
そうさ…この世界にとっての災厄…それは人間その物だったんだ…!
菊地真
人間の抹消こそが、魔王が愛したこの世界の自然を守る事になる…これは魔王達の意志なのさ
矢吹可奈
そんな…だからって…だからって…!
菊地真
ふっ、だが…その前にやる事がある…
馬場このみ
そうそう、私達の目的を達する前に根絶されちゃ困るわ
矢吹可奈
《いつの間に現れたのか、コノミさんがマコトさんの後ろに立っている》
菊地真
彼女達協力者への見返り…それは、彼女達がそれぞれ望む世界を作る事だ
菊地真
まず、ボクらが今いるこの世界を『本流』とし、彼女達の望んだ形に分岐した『支流』…
菊地真
つまり、分岐世界を作り出す。その後、本流と支流の間の次元を遮断し、因果を断ち切る
菊地真
これで彼女達は分岐世界の住人となり、この本流の世界の人間を消しても、影響を受けなくなる
菊地真
単独ですら次元を歪める魔王の力が3人分…当然、新たな歴史と世界を作るなど造作も無い事さ
馬場このみ
でも、そんな力は人間やその辺の魔族に扱える物じゃないわ。だからこそ私達は…
馬場このみ
魔族の中でもかつての魔王に最も近い力を持つ種族であるデーモン族…すなわちマコトを頼り…
菊地真
ボクはボクで、1人では時間のかかる魂収集の為、優秀な手駒として彼女達を頼ったのさ
菊地真
利害の一致ではあるが…ボクらは共に理想郷を探し求める者同士で協力する事にした…
馬場このみ
元よりそう言う集団なのよ、私達…理想郷の探索者(アルカディアシーカー)はね
矢吹可奈
アルカディア…シーカー…
菊地真
さて…では、君の質問には全て答えた事だし…始めようか
菊地真
新世界創造の儀式を…ねぇ?カナ?
矢吹可奈
…ひっ…!?
矢吹可奈
《マコトさんの右腕が見る見る形を変える…私の身体など容易く引き裂く…巨大で鋭利な鉤爪に…》

(台詞数: 50)