矢吹可奈
ふう…やっとシルヴァーナを抜けたみたいだね…
如月千早
みたいね…思いの外シルヴァーナって広かったわ…素直に馬を借りれば良かったわね
如月千早
《カナがレイカさんに救出されて戻ってから、巫女様達による反撃作戦が決まった》
如月千早
《敵本拠地である城塞へ潜入し、マコトただ1人を総力を挙げ倒す…と言う単純な物だ》
如月千早
《聞けば、魔王の魂はとても並の魔族や魔道士では扱えない代物だと言う》
如月千早
《つまり、現状唯一魔王の魂を使えるであろうマコトを倒せれば、敵の計画は頓挫すると言う事だ》
ジュリア
こっちは巫女5人…相手がデーモンでも、初めから全力で行けば、どうにかなる…はずだ
ジュリア
ま、その為にはウミとイクの合流を待たなきゃならないんだがな
如月千早
《そう、ドラクルブランを離れてから、すでに3日が過ぎているが、まだ2人は合流していない》
ジュリア
あのハーピィが、一度戻るのが必要不可欠って言うから行かせたが…まずったかな…
矢吹可奈
大丈夫ですジュリアさん!レイカさんは、やって無駄な事なんて言いませんから!
如月千早
ええ。一見ふわふわして頼り無いですけど、やると決めたら想定以上の結果を出す人ですから
ジュリア
ま、あいつを良く知ってる2人が言うなら良いんだけど…
如月千早
《そう、レイカさんは無駄な事はしない。無駄に見える事も、後への布石である場合がほとんどだ》
如月千早
(…まぁ…たまに本当に何を考えて行動してるのかさっぱりわからない時もあるけど…)
矢吹可奈
…そろそろ監視塔がある場所です、皆さん姿勢を低くしてください!
ジュリア
おっとと…
如月千早
《そう、カナが巫女様達に同行しているのは、敵城塞への道案内の為だ》
如月千早
《レイカさんに救出されて逃げている時、空から地形を見て記憶していたらしい》
ジュリア
監視塔…見えた、あれだな…
如月千早
《ジュリアさんの言葉通り、高い監視塔と、周辺に30名ほどのコボルト兵がいる》
ジュリア
コボルトか…あいつらは嗅覚が鋭いから厄介だな…通り抜けようとしても気付かれちまう
如月千早
《人間に近い進化をして、器用さを手に入れた獣人であるワーウルフに対し、コボルトは》
如月千早
《器用さや知能で劣る代わりに、視覚や嗅覚など、野生的な部分が発達している種族だ》
如月千早
《腕力などは低めだが、俊敏性や連携力でそれを補って狩りや戦闘を行っている》
ジュリア
…よし、あの監視塔は陥とすぞ。ノリィ、ユキ、三方向から攻撃して、全員拘束するんだ
ジュリア
チハヤはここでカナを守っててくれ
如月千早
わかりました、お気を付けて
如月千早
《姿勢を低くしたまま、ジュリアさん達が散開して監視塔に近付く》
矢吹可奈
…!敵が警戒を始めた…!
如月千早
《しかし、もう遅い。ジュリアさんの打ち上げた火炎弾を合図に、同時攻撃が襲いかかる》
如月千早
《陥没した地面や氷に自慢の脚力を封じられ、動物の本能が災いし、炎に怯え逃げ惑う》
如月千早
《戦闘はものの10分で終結し、全員が氷の鎖で捕らわれた》
ジュリア
よし、これで安心して通れるな。行こう
矢吹可奈
…すごく鮮やかだったね…
如月千早
ええ…皆、自分の力の適切な使い方を熟知してるのね…
矢吹可奈
力…はあ…私にも皆の助けになれる力があったら…
ジュリア
何言ってんだ、カナ。現在進行形であたしらは助けられてんだぜ?
ジュリア
お前の記憶力にさ。それも立派な力だ。なにも戦うのに使うのだけが力じゃないさ
ジュリア
言っとくが、チハヤもだぞ?カナを守るのをお前に任せられるから、あたしらも好きに動けるんだ
矢吹可奈
えへへ…そうですか?
如月千早
ありがとうございます、ジュリアさん
如月千早
《私達にも出来る事がある…その事実と、それを認識させてくれた言葉が嬉しかった》
如月千早
《その後も、特に厄介な監視塔を無力化しつつ進み、半日ほどが経とうとしていた》
矢吹可奈
…見えて来たよ…あれが…マコトさんの…アルカディアシーカーの本拠地…!
ジュリア
…闇の魔力がここまで届いて来る…なるほど、魔獣も近付かないわけだ
如月千早
《城塞を見下ろせる丘の上に立つと、重々しく禍々しい空気に背筋が凍りそうになる》
ジュリア
…デカいな…周りの監視塔やら兵舎が小さく見えるぜ…あの中にどれだけの敵がいるやら…
如月千早
《想像もつかない敵の戦力に溜め息を吐きつつ、とにもかくにもウミさん達を待つ事にする》
如月千早
《イクに運ばれたウミさんが合流したのは、さらに半日が経過した頃だった…》
(台詞数: 50)