矢吹可奈
チハヤちゃん!
如月千早
カナ!
矢吹可奈
《チハヤちゃんが振り向くと同時、私はレイカさんの脚を離してチハヤちゃんに飛び付く》
如月千早
カナ…無事で良かった…ここから連れ出された後って聞いて、気が気じゃなかったから…
矢吹可奈
《私を受け止めたチハヤちゃんは、声を絞り出してそう告げる》
如月千早
ぐすっ………本当に…もう!どれだけ心配したと思ってるの!?
如月千早
カナはいっつもそう…!ミャオさんを助けた時だって、ナオさんに血を分けた時だって…
如月千早
ルオヤンでコノミに連れていかれた時だって…!貴女は自分をもっと大事にすべきよ!!
矢吹可奈
《泣きながら私の頭を力無く叩き、お説教をするチハヤちゃんに、私も泣きそうになる》
矢吹可奈
うん…ごめんねチハヤちゃん…私、勉強も魔法も全然で、運動だって特別出来るわけじゃなくて…
矢吹可奈
親も…いないし…そんな私でも役に立てるなら、って身体が動いちゃって…
北上麗花
カナちゃん。思いやりがあって、優しくて…相手の心に寄り添えるのはカナちゃんの良い所…
北上麗花
でもね、カナちゃんが傷付いたら悲しむ人もいるって事は…忘れないでね
矢吹可奈
《レイカさんがふわふわの羽で私とチハヤちゃんを抱き締める》
如月千早
…レイカさん、カナを助けてくれて…ありがとうございました
北上麗花
………ううん、お礼なんて言わないで。私、2人に謝らなきゃいけないから…
矢吹可奈
え…?
北上麗花
…実はね、ルオヤンでカナちゃんが拐われた時…私、あの場にいたの…雲の上に
如月千早
…!
北上麗花
本当はすぐにでも助けたかった…でも、もしかしたら敵の本拠地を突き止められるかも…
北上麗花
そう考えて、結局後をつけるだけにしたの…
北上麗花
結果的には、私のせいでカナちゃんは怖い目に遭わせちゃったし…
北上麗花
チハヤちゃんにも辛い思いをさせちゃったから…本当にごめんね…ずるい大人で…
矢吹可奈
………
如月千早
………
矢吹可奈
レイカさん
矢吹可奈
私、レイカさんが助けに来てくれた時…すごく嬉しかったです
矢吹可奈
今のお話を聞いても、やっぱり私にとってレイカさんは、優しくて、頼もしいお姉さんです!
北上麗花
っ!…カナちゃん…
如月千早
…私にとっても、同じです。だって、この世界の為に選んだ行動なんでしょう?
如月千早
でも、その判断をするのは、すごく勇気のいる事だったって思います。…尊敬します、レイカさん
北上麗花
チハヤちゃん…………ありがとう…
北上麗花
(本当に…優しい子に育ってくれたね、2人とも…)
北上麗花
(…やっぱり、この子達の歩むべき未来を守るのが、私の…ずるい大人の務め…だね)
北上麗花
…えへへ…でも、ずるい大人になった甲斐あって、敵の本拠地は掴めたよ!
北上麗花
…大陸北西の果ての果て…禁断の荒野…敵はそこに城塞を築いていたよ
如月千早
禁断の荒野…!?た、確か…他の場所とは比べ物にならない凶暴な魔獣が多数生息していて…
如月千早
あまりの危険さから、各国合意の下で、絶対不可侵と定められてるはずでは…!?
矢吹可奈
本当だよ、チハヤちゃん。レイカさんに助けられた時、私も空から見たから
北上麗花
どうも、特に厄介な魔獣を、マコトが駆逐したみたい…デーモン族のマコトなら不可能じゃないよ
北上麗花
でも、それはこっちにとっても好都合…ここから反撃を始められるよ…!
北上麗花
それじゃあ私は、準備をしなきゃ…あ、あの人が水の巫女さんかな?
矢吹可奈
《レイカさんの視線の先には、ジュリアさんと一緒に歩いて来るウミさんの姿がある》
北上麗花
…それで、風の巫女様があっち…うん、揃ってるね…これなら…
矢吹可奈
《そう言って、レイカさんは、ウミさんとイクちゃんに歩み寄って、話し始めた》
矢吹可奈
《レイカさんの真剣な表情に私は、確実に近付いている最終決戦の気配を感じ取っていた…》
(台詞数: 46)