七尾百合子
むむむむ……
田中琴葉
難しい顔をしているわね。
高山紗代子
難しい事を難しく考えてもしょうがないんですけれど。
七尾百合子
いやいや! お二人とも本気でそう思うんですか!?
七尾百合子
この街が、ホントに100年前の日本だって!
高山紗代子
その言い方は正確ではないよ。私達が時間旅行したのさ。
高山紗代子
琴葉さんはどう思います?
田中琴葉
普通の旅行だと思ったら時間まで皆と旅行できてとてもお得だと思うわ。
七尾百合子
ポジティブが過ぎる! あり得ないですよ。トンネル抜けたら大正ロマンなんて!
田中琴葉
噂に聞くタイムトンネルだったのね!
七尾百合子
……また琴葉さんの仕業なんじゃあ。
高山紗代子
百合子君。
七尾百合子
う、ごめんなさい。
七尾百合子
くっそー。部長がいると強く出られない。
田中琴葉
だめよ紗代子さん、かわいい後輩を困らせたら。
高山紗代子
……すみません。
七尾百合子
あ! 部長をいじめないで下さい!
田中琴葉
ごめんなさい、でもいじめてなんかないわよ。
七尾百合子
なんだこの三すくみ! とにかく! 情報を整理しましょう。
七尾百合子
埒が明かないのでここは不肖七尾がモノローグにて説明します。
七尾百合子
時は夏休み、特に予定もないし家でダラダラしてたら珍しくスマホがシンギング。
七尾百合子
即ち部長からの電話でした。(着信音:探偵部伝説の部長のカラオケ録音)
七尾百合子
うわーまたたい焼き関連かなーやだなーと電話に出ると小旅行のお誘いでした。
七尾百合子
☓☓☓☓☓と名乗る人物から部長へご指名の招待状もとい挑戦状。そんな事だろうと思った。
七尾百合子
なんか既視感のある私はすぐさまいつもの元凶担当琴葉さんに連絡をとりました。
七尾百合子
え、知らない知らない今回は私じゃないと宣う彼女でしたが☓☓☓☓☓の名を聞いた瞬間。
七尾百合子
同行を願い出たのでした。彼女の頼みを断る部長ではありません。
七尾百合子
かくしてチーム三つ巴がバスを乗り継ぎついた先は……
七尾百合子
とまあ、そんなところです。とりあえず民宿? 的なところを拠点に話し合いしてるってわけです。
高山紗代子
さて、ならば君はどう考える?
七尾百合子
ですから、ここは☓☓☓☓☓が作った架空の街です。テーマパーク的な。
田中琴葉
とっても大掛かりね。
七尾百合子
なんというか、部長を騙す為に……なんかめっちゃ頑張って作り上げたんですよ。
七尾百合子
なんか役者さんとか大工さんとかめっちゃ雇って。夢の世界ですよ。
高山紗代子
だとしたらその夢を壊すのが私の役目なのかい? 無粋だね。
七尾百合子
えー、非難されてる。
田中琴葉
プロレスを八百長って言い張るタイプかしら。
七尾百合子
四面楚歌だ。っていうか。
七尾百合子
部長の前で聞いておきたかったんですけど。☓☓☓☓☓について知ってる事を教えて下さい。
田中琴葉
その筋では有名よ。とっても悪い人。由緒正しい名家で唯一の犯罪者にして大悪党。
田中琴葉
でも何十年も前の人だから、おかしいなって思ったの。
七尾百合子
その筋で有名な人をなんで知ってるんですかね。
高山紗代子
とても博識ですね。
七尾百合子
うう、ポンコツな部長は見たくないよう。
高山紗代子
さて、とにかく第一にやることは一つ。私を招いた彼の元を訪ねるとしよう。
田中琴葉
今日はいつにも増して楽しそうね。謎だらけだからかしら。
七尾百合子
いい天気だからじゃないですか?
高山紗代子
勿論それもあるけどね。ここは私にとって文字通り夢の世界かもしれないし。
高山紗代子
どちらにせよ。
高山紗代子
忘れられない夏になるといいね。
(台詞数: 50)