伊吹翼
......。
伊吹翼
暁「......。」
伊吹翼
...寝れない...
伊吹翼
(クイーンサイズのベッドに、一緒に寝ている...その初恋の人)
伊吹翼
(背中から伝わるぬくもりが、熱いくらいに、わたしの体に伝わってくる。)
伊吹翼
暁「...寝れないよね、僕も同じ。 やっぱりいつもと感じが違うからだよね」
伊吹翼
(プロデューサーさんも緊張してるのかな...背中ごしにプロデューサーさんに話しかける)
伊吹翼
プロデューサーさんは...その、こういうことって今までにしたことあったんですか?
伊吹翼
暁「いや...母さんや兄さんとはあったけど...だいたいは一人だったし...」
伊吹翼
暁「...こうやって女の人と...ましてやアイドルと一緒なんて初めてのことなんだ。」
伊吹翼
(ってことは...女の人とはそこまで発展してなかったってことだよね...)
伊吹翼
えへへ...それじゃあ一緒に寝る子はわたしが初めてってことですよね♪
伊吹翼
(一緒に寝るって、恋人っぽいし、プロデューサーさんも喜んでくれると思ったんだけど...)
伊吹翼
暁「そうなんだけどさ...その言い方やめよう? 誤解を招くし...」
伊吹翼
(プロデューサーさんは少し困った感じみたい...喜んでくれると思ったのに...)
伊吹翼
プロデューサーさんは...わたしと一緒じゃ、うれしくないですか?
伊吹翼
暁「そうじゃないけどさ...あのね、ちょっといい?」
伊吹翼
...なんですか...プロデューサーさん...
伊吹翼
...なんですか...プロデューサーさん...!?
伊吹翼
(プロデューサーさんはふり帰って、わたしの上に四つんばいになっていた)
伊吹翼
(これが百合子ちゃんや小鳥さんが言ってた...床ドンなのかな...?)
伊吹翼
暁「翼はさ...無防備過ぎなんだよ...こんな風にされたって文句言えないよ。」
伊吹翼
(プロデューサーさんの顔が、引き締まった体が、くっつきそうなくらい近づく)
伊吹翼
プロデューサーさん...ダメ...
伊吹翼
(プロデューサーさんの吐息が髪を揺らして、耳をくすぐってくる)
伊吹翼
(真剣な、ちょっと色っぽい顔から、いつもの笑顔にプロデューサーさんは戻って言う)
伊吹翼
暁「なんて、ことも起こるから注意してね。それじゃ、おやすみ。」
伊吹翼
(イタズラっぽい、だけどさみしそうな顔で離れてくプロデューサーさんを見て、わたしは...)
伊吹翼
まって...おねがい...
伊吹翼
(プロデューサーさんのシャツの袖をつかんで、プロデューサーさんを止めた)
伊吹翼
暁「...怖かったよね...でも、僕じゃなかったらなおさらあり得る話で...」
伊吹翼
プロデューサーさんは...これでいいんですか? ...わたしに何もしないんですか?
伊吹翼
(プロデューサーさんの耳に、せいいっぱい顔を近づけて、そっと耳うち)
伊吹翼
プロデューサーさんが志保ちゃんのこと好きだってことは知ってます...だけど、
伊吹翼
(プロデューサーさんの空いてる左手をつかんで、わたしの左胸に当てる)
伊吹翼
それでも...ドキドキが止まらなくて...どうしようもなく好きなんです...だから。
伊吹翼
暁「翼!!...僕は北沢さんに特別な想いは...だからこんなこと...」
伊吹翼
今夜だけはわたしを...プロデューサーさんの恋人にしてください
伊吹翼
(言っちゃった...胸から、プロデューサーさんの手から、じんわり熱が伝わってくる...)
伊吹翼
暁「...」
伊吹翼
暁「...君がなんとなく、その気があるのは、結構前から僕は勘づいていたんだ...」
伊吹翼
暁「でも僕は...兄さんの後ろしか追いかけられない...出来損ないだから...」
伊吹翼
そんなの関係ないです。...大好きなことに、理由なんて必要ないじゃないですか。
伊吹翼
(プロデューサーさんが少しだけ目をつむって...何か決めたように目を開けて言った)
伊吹翼
暁「わかった...僕らはアイドルとプロデューサー...本当ならこういうことはダメだけど」
伊吹翼
暁「今晩は...いや、今日だけは...一人の女性と男だから...」
伊吹翼
(プロデューサーさんの手がわたしの頬に添えられて、プロデューサーさんの顔が近づいてくる)
伊吹翼
(近づくプロデューサーさんで埋まる視界に...感じる吐息...)
伊吹翼
(時計の音だけが鳴る部屋で...ずっと待ち望んでた瞬間が、)
伊吹翼
(時計の音だけが鳴る部屋で...ずっと待ち望んでた瞬間が、柔らかい感覚と一緒に訪れた)
(台詞数: 50)